山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「千年女優」

BS12で放送されてたので、見てみました「千年女優」(今敏監督 2001年)

うまれて初めて見る映画で。

今敏作品とは実は肌があまり合わないのですが(個人の感想)

むかーーし、オットが一人でこの「千年女優」を見て、「女の子走り映画だった」と一言だけ感想を漏らしたのをよく覚えております。

 

平沢進が音楽を担当していて…というので興味を持って見てみたんですけどね。

この2001年に公開のアニメ映画と言えば、「千と千尋の神隠し」が有名ですが、この「千年女優」は第5回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門の大賞を「千と千尋の神隠し」と分け合っております。

 

おう?2001年のアニメ映画と言えばですよ。

未来永劫に光り輝く、アニメ映画という枠を超えた最大エポックメイキングな作品が出た年じゃないですか。

それは「千と千尋の神隠し」でもない「千年女優」でもないw

この作品であります↓

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲 - Wikipedia

アニメ映画という枠から飛び出たとんでもない怪作で、日本を語る上で欠かせない映画作品であります。

その大物と比べるとやはりどうしても小粒…な気がしました「千年女優

 

まず、日本映画のパロディ?オマージュ?作品なのですが、主人公が小娘のままで女優になって後に大女優になるのですが。

素性も名前も知らない男に異様なまでの熱を上げるという部分にのみ狂気を感じますが、それだけ…そこが残念。

推しを追いかけて狂気のうちに生涯と終える映画といえば「アデルの恋の物語」(1975年 フランソワ・トリュフォー)とか「夏の嵐」(1954年 ルキノ・ヴィスコンティ)が思い出されますが、残念ながらそこまでの狂気はないです。

むしろ、陰になり日向になり、常に主人公千代子を思いやり、守ろうと奮闘するゲンさんに感動させられます。

 

これはおそらく、千代子の情熱が走り回っている部分にのみ焦点が当てられてて、ストーカー的な狂気としても中途半端、恋焦がれて追いかけ続けるにしては本人のキャラが「追いかける以外ハッキリしてない」のがその理由かと思いました。

 

映画通には「あ、このシーンは○○」「ここは××」だなと引用元の映画がすぐに分かって楽しめるし、「このシーンは小津、こっちは成瀬」と撮影法だけですぐにわかるし、「ここは原節子風、ここは田中絹代風ね」と主人公の表情の変化もすぐにわかるんですが。

 

…本当にソレだけなんですよね。

アメリカに行ったら帰ってきたときに「Oh,アメリカでの生活ぅが長くて、日本語、わーっすれましたー」と言い放って欲しかったし(だって「女優」というのはそういう化け物的な生き物でしょ?)

頭に来たら畳の上でおしっこするくらいの気概がないと…ねえ(※どちらも田中絹代の伝説)

 

ただ、エンディング、スタッフロールを背に朗々と歌われる「ロタティオン」は本当に素晴らしかったですね!

出棺BGMオールタイム堂々第一位の楽曲です↓