山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

しろうおじちゃんの事

というわけで。

1年ぶりに会った父はとても元気でしたね、今年89歳。

身のこなしも年齢の割にはしゃきしゃきしてて、トイレが近い(この日は結構大荒れのお天気で寒かったので、1時間おきにトイレに立ってた)のと、「最近、テレビの音が聞きづらくなってきた 映画は吹き替えじゃなくて字幕で見てる」(父親談)以外は、まあ普通に話しも出来ますし、いきなり理由もなくキレて大声出したり暴れたりもないので…

「美男子に生まれて、長い間人からチヤホヤされてきた人は年をとってもそのプライドのおかげでしゃっきりしてられるのかもなあ」

と思ったことでしたよ(;^ω^)※実家の父は若い頃からその美貌が有名で(そもそも実家の父の母親も数十年にわたって近郷近在にその名を轟かせた美女であったので)そのおかげか?年をとっても相変わらず、二枚目でありますw

 

そんな中、親戚の話が出まして、最近亡くなった「しろうおじちゃん」の話を父に振ってみました。

「しろうおじちゃん」とは父の父方のいとこにあたる男性で、ワシが幼稚園に入る前、しばらく一緒に暮らしてたことがある男性です。

とても自由闊達な男性で、いわゆる「風来坊」みたいなところがある人でw

ワシが最後に会った大学4年生の時にしろうおじちゃんは42~3歳だったんですけど、その時にはすでにしろうおじちゃんの頭は見事なウェーブの掛かったロマンスグレーになってて。それでワシも「あ、ワシも40過ぎたら頭が真っ白になるんだ」と悟ったのでしたw

 

そもそもなんで一緒に住んでたのか?ワシは幼かったのでその事情を全く知らなかったのですが、今回、その謎がとけました。

しろうおじちゃんのおうちは両親兄弟姉妹全員小学校の先生だったんですけど、彼はそれに反発して高卒で家を飛び出して、「公務員にでもなろうかな」と公務員試験を受けるためにうちに居候してたんですね。

当時22~3歳だったしろうおじちゃんはとても楽しい人で、まだ3~4歳だったワシにもとても優しくてよく一緒に遊んでくれてワシは大好きでした。

 

当時、父は家で絵を描く仕事をしてたんですけどね、しろうおじちゃんは面白がって、「あたいにも絵を教えなっせ」と言いつつ、父と並んで絵を描いてたことはワシの記憶にも残ってます(幼児ながら「しろうおじちゃん、絵はいまいちだな」と思った)

その後、しろうおじちゃんは公務員試験に合格して大学で事務の仕事をし、居候も無事に卒業して職場で出会った女性と結婚したんですね。

 

晩年はクルーザー乗り回して釣り雑誌に寄稿してたりしてたそうで。

大学の事務員やめたあと(性に合わなかったらしい)色んな仕事についてたみたいですが、クルーザー乗り回すライター稼業。ふむ、それがしろうおじちゃんに一番にあってる気がしました。