山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

藤真利子「狂騒曲」

と、言うわけで。
佐井好子の芸風を受け継いでいる人って今いるかなあ??」と思ったのですが。
一番近い感じが藤真利子でしょうか。

でも藤真利子は「現代の女として生きることを歌う」ってスタンスは佐井好子に近いけど、なんせ藤真利子さん、いまでこそ、なんだか口が悪い怖いおばあさんキャラですけど。
お生まれは有名作家の娘さんだし、聖心女子大出身で若くして女優デビューして。大学時代からファンだったムーンライダースをバックに従えてアルバム作っちゃうという驚異の人で。
まあ、今風に言えば、「上位互換」ってことになるのかもしれませんね。

やっぱり「実家の太さ=正義」だなあと思い知らされるわけですよ。

でもね。
この藤真利子の画期的なアルバム「狂騒曲」は名曲揃いで、本当にすごいんです。
曲やアレンジもすごいけど、ワシが一番「すごいな!」と思ったのは、「作詞」に寺山修司赤江瀑を招いてるってところでして。
寺山修司はまあ、通常の芸風なんですけど。
とにかく、赤江瀑の作詞がすごいんですw
赤江瀑と言えば、耽美的伝奇的な作風で知られる作家さんですが。いわゆる流行歌?ロック??の作詞を担当したのってこの藤真利子以外、知りません。
確かお父様のつてをたどって作詞を依頼した_という話を昔、80年代に藤真利子のインタビューで見た記憶があるのですが。
この赤江瀑の世界を歌にして、当時の最先端のスタイルで歌って残したというのは、藤真利子最大の功績なのかもしれません。

まずは寺山修司作詞、鈴木慶一作曲の「花がたみ」から見ていただきましょう↓
https://www.nicovideo.jp/watch/sm13449331
※ニコ動の方が画質が良さげだったので
この映像のテレビ放送時、たまたまワシは見ててw
びっくりしてすぐにアルバム「狂騒曲」を買いましたともさー
当時はこの曲の三味線を誰が弾いてるのか知りませんでしたが、どうやら藤真利子本人の演奏みたいですね
クリスチャン・ディオールの素敵なドレスを着た顔の整った大久保佳代子っぽくもありますが…
まあ、色っぽくて素敵ですやね

そして大問題作「花まみれのおまえ」(作詞:赤江瀑 / 作曲大村憲司)↓
https://www.nicovideo.jp/watch/sm13449471
※この演出のせいで、以後十年間くらい、藤真利子サブカル界隈では「藤真利子さまと言えば、ふんどし姿の男を従えてホイサカホイサカって歌ってた女優さん」と言われてましたw

アルバム「狂騒曲」を代表する曲がコレ↓
「野ざらし百鬼夜行」(作詞:赤江瀑 / 作曲・編曲:鈴木慶一
https://www.nicovideo.jp/watch/sm11640133

そう言えば、「野ざらし百鬼夜行」って赤江瀑の小説のタイトルにあるんですよね。
…読んでみますか。