山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

泣かないギターソロ

そんな風でまあ、かようにワシは当時(今モカ?)「ワガママなロックファン」だった訳です。
その当時の世間的な風潮は、「ギターは泣いてりゃエライ」「泣けば泣くほどエライ」みたいな。
そんなクダラナイものが価値のある世の中でありまして。
しかもそれと同時に「ロックには女子供にはワカラン世界があるのさ」みたいな、妙なマチズモがまかり通って、しかも常識化されているという、実に困った時代でもありましたよ。

それに比べたらなんて今は生きやすい時代なんでしょうか、皆さん!(叫)

とにかく、「泣いてるギターソロが大嫌いな女子中学生がおりました」とさ。昔々。
で、その女子中学生は「(その当時)どんなギターソロが好きだったのか?」といいますと、当時は断然「ロバー・フリップ」支持者だったんですよ。

あの極力センチメンタリズムを排した。まるで「感情なんて問答無用!」「オマエの感傷なんぞワシの人生には一切、関係ナーーーシ!!」と斧を振り下ろし、全人類を断罪するような、冷酷無比なあの、ギターソロが大好きでした。

だから、まあ、もともとそんな素地(他人から感情を押し付けられるのが嫌い<自分が勝手に察知してシンパシーを感じる分には全然構わない&単純に押しつけがましいのが嫌いという部分)はあった訳ですよ。
「ベタベタといつまでも泣き言を言い募るギターは嫌い」と。
いっその事、寝転がって手足バタバタさせながら、体中の体液振り絞ってわぁわぁと大泣きして呉れたなら、いっそソッチの方がナンボかマシという認識です。

だから、メソメソしているギターが嫌い。
泣きたい時にはむしろ、その悲しみをぐっと堪えて、涙を振り払うかのように自分の気持ちを別の方向に向かって投げ込むような。そんなギターソロが好きです。

なんでそんな事を思い出したのかというとですね。
カラオケでピロウズの「ストレンジカメレオン」を歌っておりましたら、この歌のギターソロが「泣いていてビックリした」んですよ。

この曲はまさに背水の陣の一曲。「もう後が無かった」(レコード会社との契約を打ち切られてアマチュアに戻るかも?という状態の時に作られた)ピロウズが上げた反撃の狼煙として有名な曲です(ミスチルがよくライブで演奏しているらしい)

ちなみに、原曲では「ギターは一切泣いてません」
あ、また終わらんかった。この話、まだ続くですよ。