山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

三十五日が過ぎて…

義弟の自殺騒動から早いもので三十五日もとうに過ぎた。
12月の26日が義弟の四十九日にあたるのだが、この年末では皆さんお忙しかろうと、今回お世話になった皆さんには、三十五日という区切りで、心ばかりの品をお贈りした。
香典を戴いた方(葬式もろくすっぽ挙げてないのに)、優しい荷物を送って励ましてくださった方、自殺した義弟の為に毎日念仏を唱えてくださっている方等々。

人は死んだら、最初の初七日で三途の川のほとりに到着するらしい。
川の流れは激流と急流、緩流の三種類あるので、「なるべく死んだ本人が、緩流を渡れますよおにー」との願いを込めて営むのがこの法事らしい。

その後に、二七日(ふたなのか)(十四日目)、三七日(みなのか)(二十一日目)、四七日(よなのか)(二十八日目)、五七日(いつなのか)(三十五日目)、六七日(むなのか)(四十二日目)、七七日(なななのか)(四十九日目)と続くそうな。
(義母の時は、キッチリ大枚はたいて全部やり通した)
この間が忌中(きちゅう)で、閻魔大王の前で裁きを受ける「三十五日」と、次に生まれ変わる世界が決定する「四十九日」は、特に大切な法要として行われるものだ。

「さて義弟は閻魔大王にどのような裁きを受けたかのお」と考えながら、荷物をお送りした皆さんから、返送されてきたお礼状なんかを眺めて過ごす。
まあ、なんにしたって、ロクな生前ではなかったし、閻魔大王に怒られて恐怖のあまり地獄から(<地獄決定かよ)甦ってきた所で、ワシに殺される訳だから、いずれにせよ義弟は気の毒な奴だ。

世間の優しさも暖かさも知らず、自分だけを愛し、心を閉ざし、一生夢を見ながらロト6にいつか当たる事をダケを心の支えに生きていた義弟よ。
次の世界ではもっとマシなものに生まれ変われよ。南無阿弥陀仏

さてそんな事を考えていたら、今回の義弟自殺事件での最大の功労者、Nおじさんの奥様から電話がかかってきた。
「もうね、辛い事は全部忘れて、あんな残酷な悲しい事は覚えていてはイケマセン。明るく、家族仲良く、心を強く持って、普通に生きて下さい」と言われる。
わはは、実際、その通りだよなあ。
Nおじさんには改めてお礼かたがた、お会いしなければナラナイと考えている。
手土産を考えるのが、楽しみだ。