今週、GYAOではいい感じの映画がいっぱい配信されているので、ワシは見るのに忙しいです!
実は映画の配信サイトで一番使えるのはこのGYAOなんですな。しかも無料。
ワシは感謝してもしきれませぬ。
おそらくは、一番見てる配信動画はこのGYAOでしょうね。
そんなワシが昨日見たのはコチラ↓
言わずとしれた20世紀文学の名作、アゴタ・クリストフの「悪童日記」が原作であります。
ワシはこの作品の原作が好きでして…
「でも、映像化は無理やろ?」とずーーっと思ってました(兎唇の少女が犬を犯して遊ぶシーンとか無理無理絶対無理)
まあ、そのシーンはなかったわけですが(良かった助かった)
原作の荒々しい戦争文学な手触りをそのままに、よくぞ映像化してくれた!と見てて嬉しい映画でした。
原作を読んだ時も「今どき(当時、1980年代後半)、この趣、すごく珍しい。戦時中とか戦争直後ならこんな作品が出てくるのも納得できるけどねえ」と強烈に思ったことを今でもよく覚えてますよ。
この映画は全然知らないハンガリー人の監督によるものみたいですけど、実に格調が高くてその素晴らしい筆致で、喪失と暴力と殺人の物語を描いて見せてくれます。
とても手練れた優れた映画でありまして、とにかく見せ方がすごくうまいんですよ。
中部ヨーロッパの独特の土着な空気を帯びた、夜の闇、光の描き方がとてもうまいです。
レンブラントの絵画みたいですよ。
見てるだけでも眼福で、こーってりとしたローカルフードを食べた気になれるんですけどね(;^ω^)
そこで語られるのが、愛なき世界でお互いだけを頼りにしてなんとか生き延びようとする双子の少年たちの物語。
原作を読んだときは、この双子の少年は9歳?とかだったので、読みながら「こんなに幼いのにかわいそう」とか思いましたが、映画化ではもうすこし年齢が上がってます。
変声期前ですが、そろそろ「青年期」に突入しそうな雰囲気の不敵な面構えの双子たちでして、主役がコレならもはや、映画化は勝ったも同然!!と思わせるものがあります。
破壊され尽くしたヨーロッパの荒れ地を超えて行こうとする少年の物語。
そこでは具体的に父親を踏み台として自分たちの命を繋いでいくのですが、そのシーンにもとても感服しました。
戦争は起きる、でも人間は生きる。生きのびる。
そんな映画です。