山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「BEACON」 その1

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はい、今日はめでたい平沢進14thアルバム「BEACON」の発売日であります。

だからレビュー書きます!

思っていることが全部書けると良いなあ(´∀`*)ウフフ

 

 

01.BEACON

はい、一曲目タイトルチューンであります。

大阪の「24曼荼羅」公演の初日で初披露された楽曲でありますが、生で聴いたワシの第一印象は「平沢版フニクリ・フニクラ」でありました。

軽快なメロディとリズムで、人の足取りを軽くさせるような印象があるので、ついついワシもベスビオ火山に登ってしまったのかもしれませんね(^^ゞ

歌詞は囚われの身の上である現代人?に向かって、「その枷から解き放たれなさい」と告げるような歌です。

現代に生きる我等を「名もなき子」と呼ぶですよ。

どんなに辛い境遇があって、雨に強く冷たくさらされる日があったとしても、いつしかその雨で自分をつないでいる枷にも錆が出てくる。そしていつの日にかきっと、名もなき子はその軛を解き放って解放されるのだと歌われます。

曲の前半は、暗い目をして道に迷っていた名もなき子が、後半になると、力強く自分の足を踏み出して、ホーンセクション(トロンボーン?)の威勢のいい「ブリッブリッ」としたマウスピースの中で唇が盛大に震えているような音に誘われて、自分自身の人生を、自分の力で生きていこうとする様子が歌われている気がします(気がするだけ?)

マーチングというか、この日常と戦うための軍歌(とか書くと怒られる予感)な気がします。

生まれ持った、その輝きを思い出せ。

自分の力を信じなさい、君は生きているだけで素晴らしいのだ、この日々を強く、戦って生き延びて。

そんなメッセージを感じました。

 

02.論理的同人の認知的別世界

これがね…すごく怖い曲なんですよ。ほぼホラー(;^ω^)

この曲を聞いてて、実はワシは、先日の東京五輪の開会式の事を漠然と思い出してしまいました。

なんだか、上っ面だけの綺麗事でヒトを騙そうとしているタイムラインと申しましょうかw

本当はその皮膚の一枚下はウジやムカデが蠢いてて、真実なんかどうだって良い、とりあえず、この場を綺麗に取り繕っとけ!的な三文芝居とでも申しましょうか…

そのきらびやかな衣装は実は襤褸ではないのか?本当は作りての人たち、信じているものなんか無いんじゃないの??と、そんな人達が体現する「鬼畜のオペラ」を見せられている気分。

その美しい娘は滅私で歌い、癒やしてくれようとしているけど、それは本当に我欲のない滅私なの?もしかしたらただのコッペリア星新一的「ボッコちゃん」)かもしれないよ??とでも申しましょうか。

そのお花畑は本物ですか?表層だけを誰からか盗み取ったものじゃないですか??

とかそんな妄想が広がりました。

だからこの幸いのパラダイスは、本物のパラダイスではなさそう。

そうだってこれから「ワルプルギスの夜」が始まるんですもの。

準備はいい?あなたが本当は何者なのか、顕になってしまう夜だけど?それでも耐えられる??

 

03.消えるTOPIA

 

「あ、あれ??ワルプルギスの夜は??」

気がつくと、映画館で巨大なスクリーンを前にしてシートに座っています。

どうやら今から特撮SF映画のクライマックスのようです。

 

物語はよくわかりませんが、どうやら主人公は偽物の世界と現実の世界を統合するために命がけで頑張っているようです。

 

「内省的なSFだなあ、このテイスト、今時珍しいかも」

なんて思いながら見ていると、映画の物語は、思わぬ展開で主人公が勝利します。

 

すべての混沌が終わり、ぽかんとした広々とした青空の下、悪い夢のようだった巨大なものが打ち砕かれて粉々となり、主人公を遮るものは全て消え去ったようです。

 

映画の中の主人公は宣言します。

「見える!聞ける!」

ああ、今ここから主人公の新しい本当の物語が始まるんだな_と思ったら、スクリーンを見つめていた目から涙が溢れてきました。

不思議です。最近涙を流すなんてことはなかったのに。

晴れ晴れとした開放感を感じながら、映画を見終わった後は「よし、私も頑張ろう」

そんな気持ちになっているのでした。