山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「BEACON」 その2

04.転倒する男

「男シリーズ」の曲ですね(「ナナフシ男」とか「ホログラムを登る男」とか)

でも思ったより軽快で、「立てGO(GO) 立てGO(GO) わっはー」

で思わずひっくり返りました。

「そうだった、この人は♪ゆーつか?ゆーつかああああ??♪と歌ってた人だった、とりあえずは外へランダムに歩く人だった」

と思い出します。

「ホログラムを登る男」の「その後」にも思えます。

「ホログラムを登る男」はもっとシリアスで大げさ(ひっ)

「壮大な楽曲」

でありましたが、この「転倒する男」はもうちょっと「火事場のサリー」よりな印象があります(ミドルテンポの4拍子で音の重ね方が控えめ)

あたりを見晴らそうと丘を登る男の話ですが。タイプが全く違う感じのメロディがつなぎ合わされてて、ちょっと不思議(「ボヘミアン・ラプソディ」的でもある)

 

なんにせよ「規格外」な曲のイメージがあります。

このアルバム「BEACON」は去年の夏に平沢進が寝起きの状態でひらめいたメロディたちを記録して、それを元に作曲したもので構成されているようですが。

壮麗な夏の目覚め_という印象。

 

05.燃える花の隊列

平沢進の「唯美主義楽曲」キター!な曲です。

流麗なメロディと耽美的な歌詞。

だからなのか?12thアルバム「現象の花の秘密」に収録されててもなんら不自然さはない印象の曲です。

「生存を焚け」と挑発してくる歌詞。

燃え上がり、隊列を組みながら進んでいく花のイメージ。

それは一種、宗教的ですらあり、ホドロフスキー的な黙示録を感じますが、「この隊列に加われ」と言われている気がします(「~な気がする」が中心になりつつあるぞこのレビューは)

灯台なのか、花なのか。

ゆらゆらと燃えながら荒れ地をゆく花たちのイメージ。夜の闇は炎に照らされて眩しく。

後はもう、目覚めて自分もこの隊列加わるだけなのだと気が付きます。

 

06.LANDING

この曲が難しいです(解釈が)

なんか大気圏に突入した脱出ポッドの中で歌われているような(気がする?)

「ええい、あとはどうにでもなれー」(byちいかわ)的な「南無三!」と覚悟を決めて滝に飛び込むような?

聞き手を信頼して、両手を広げて身を投げ、五体投地してくるような。

「このアルバムで言いたいことはちゃんと言ったからな!後の解釈は任せたぞ!」という、「LANDING(着地)」を受け止める側への絶大な信頼が根底にある気がするのです(n回目)