山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

女性ラーメン職人がいる店

と、言うわけで。

昨日はどうしても博多ラーメンが食べたくなって、「江(こう)ちゃんラーメン」に食べにゆきました。

知ってる人は知っている。博多ラーメンの(ワシ的に)隠れた名店ですよ。

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ここの店主は女性でして。きったない前掛けを腰骨の位置にきりりと巻き、腕まくりして腰に手を当てて、心の中で静かにカウントしながら麺を茹でる釜の前に立つ姿とか、ハードボイルドで超かっこいいです。

基本、気さくな博多の下町ラーメンなんですけどね…ワシ的には「博多ラーメンはコレやろ」と言いたくなるほど、好きなんです。

 

実はワシは彼女を30年以上前から一方的に知っております。

最初に彼女をお見かけした頃…おそらく、彼女はその頃、二十歳前後。

ラーメン屋の厨房の中で「ムスッ」とした表情で彼女のお父様を手伝いながらてきぱきと立ち働いておられました。

それがいつしか、赤ん坊を背中におぶって立ち働くようになられて。

そのお子さんが大きくなって、厨房の中をちびっこがうろうろしてたのもよくお見かけしました。

 

お父様のお店が郊外に移転して、彼女の弟さんがその名店を引き継いだんですけどね。いつのまにか彼女の姿を厨房で見かけることもなくなり。

「ふーん、どーしてんだろうな」と漠然と思ってたら、ひょんな事から彼女が自分のお店を出したことを知り、探して出かけてみれば。

なんと、彼女の作る博多ラーメンは、お父様が作ってた頃の味そのままの再現だったのでひっくり返ってしまいましたよ。

彼女の弟さんが引き継いだお店より、よりハードコアに「昭和の博多ラーメン」なんですよw

 

しかも、野菜炒めとかちゃんぽんとか…ラーメン以外のメニューも激ウマであります。

「信じられない!コレを食べたら1989年の記憶が蘇ってくるんですけどっ!?」

ごく狭小の店内。40センチ角くらいの超小さいちゃぶ台が置かれた座ってると足が痛くなる小上がりの板張りの手触り。

日が傾いてくると強烈に直接差し込んでくる西日の蒸し暑さ。

 

※この年「アジア太平洋博覧会」通称「よかトピアhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A2%E5%A4%AA%E5%B9%B3%E6%B4%8B%E5%8D%9A%E8%A6%A7%E4%BC%9Aが行われ、その帰り道に彼女のお父様がやっておられたラーメン店に入ったことがあったんですよ。