「犬鳴村」があまりにも駄目な映画だったので。
「口直しになんか面白い映画を見たいなー」と思ってたら、なんとGYAOでポール・バンホーベンの「エル ELLE」が無料配信されてるじゃあーりませんか!!
これ見たかったんですよねえ…(´∀`*)ウフフ
もう、見たらね!これがっ!!さすがのポール・バンホーベンなのよっ!!!
「人の原動力は悪意である」みたいなテーマだとワシは感じたんですけどね…
超面白い!超スリリング!!
もう鼓を打ち鳴らしながらカッポンカッポン踊り狂いたくなるくらいに面白い映画だったの!!↓
※狂乱の気持ちを鼓の音に乗せて踊り狂うのは八千草薫(ガス人間一号)のイメージ
映画「エル ELLE」のお話はこんな感じ↓
ミシェルはゲーム会社の女社長。金銭的にも恵まれ、売れない作家の夫とは離婚しているが、成人した息子もいてちゃんと大人のお付き合いをする愛人もいて、世間的に見れば「勝ち組」である。
しかし、彼女には暗い過去があった。
ミシェルの少女時代に、実の父が近所中の子供を殺してまわるという大量殺人事件を起こしてたのだ。
その過去とどうしても向き合えず、刑務所の父にも会いにゆかず、若いツバメと再婚すると言い張る老母ともあまり会いたくはないミシェル。
元夫は自分のファンの若い女性と恋人関係になって幸せそうだし、息子は元売人から更生してファストフードの店員をしてるけど、信じられないようなバカ女と子供まで作っている。
そんな彼女がある日の午後、自宅で突然、スキーマスクをかぶった男にレイプされるという事件が起きてしまう。
しかし、ミシェルは淡々と家を片付け、お風呂に入り、着てた服を全部捨てて翌日も普通に出勤する。
事件の被害届を警察には出さないし、気が向いたら友人たちに食事の席で「自宅でレイプされたの」と告白もするが別にそれ以上のことは行わない。申し訳程度に自衛用として胡椒スプレーと手斧を買ったりするくらいだ。
しかしどうやら犯人は自分の身近な男らしいので、それとなく周囲を探ったりするミシェルだったが…同じレイプ犯が再び家にやってきてしまう。
主人公ミシェルとワシは年が近いせいか( ´,_ゝ`)プッミシェルの気持ちがよくわかる気がしました。
ミシェルが望んでいたものは「小さな幸せ」
自分が愛した人に愛し愛される人生がほしかっただけなのに、子供時代に父親が起こした事件のせいで壮大な遠回りをしなければなかったのだなあ…と感じました。
本当に愛する人を手に入れるために、その人の配偶者を寝取ったり、その事を愛する人にわざわざ告げたり。やることが無茶苦茶なミシェル。
ミシェルは愛されたいのに咎人として子供時代に押された烙印がどうしても拭い去れない。もう自分は老人に近づいている年齢なのに、まだ子供時代に呪われている。
自分が「灰被りの少女」として自身の中の野生を表出させてしまった記憶が消せない。その時にとても気持ちよかったことも忘れられないのだ。
だからすべてを壊してしまいたい。自分自身ですら。
…とまあ、ポール・バンホーベンお得意の暴力と悪意に血塗られた物語が滔々と語られていくのですが。
すんげえびっくりしたことに、なんと物語は急転直下、ハッピーエンドで終わるんですね。
でもこれが全然嫌じゃない。むしろミシェルを祝いたくなります。ソコが素敵。
サイトに寄ってはこの映画を「エロチックサスペンス」とか書いてありますけど…
この映画ではエロチックな気分にはなれないような(;^ω^)