山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

5月前半に見た映画メモ

「ノスタルジア」(1983年 アンドレイ・タルコフスキー監督)

とにかく画面が美しすぎて目が気持ちいい。
イタリアの美しい風景や古い教会、温泉地の独特の風景。教会の壁画、古いマリア像の腹から飛び出してくる小鳥の群れ。
そこに突如として現れる、遠いソ連(ロシア)の記憶、美しい家族の思い出。
全人類必見の映画のうちの一本。
コレを見たら、「ストーカー」「サクリファイス」も見て欲しいな。
そしてその流れからの「ブレードランナー 2049」も見ると感慨が深いかもw

「ジェイン・エア」(1996年 フランコ・ゼフィレッリ監督 シャーロット・ゲンズブール主演)


子供の頃、原作を読んで「ばかみたいな話…」と思ったものですが…
やっぱり映画で見ても、「馬鹿みたい…」と思ってしまったw
いわゆる女性の自立を描いた作品のはずなのに、何故か仕上がりは「落窪物語」とか「鉢かぶり姫」になっている。不思議な仕様です。
シンデレラ物語のヴァージョン違いと申しましょうか…
ヒロインが寄る辺なく、浮草のような気の毒な境遇のはずなのに、何故か棚ぼた式に大富豪になったり、初恋の人と結ばれたりするので困惑。
「自分の家の使用人に手を出すご主人様とかろくでもない」がワシのポリシーなんですけど。
「やっぱりろくなもんじゃねえ」とそのポリシーを強固なものにする物語でした。

でもね、フランコ・ゼフィレッリの手腕は素晴らしく、このすっとこどっこいな一歩間違うとゴシックホラーになりかねない物語が、美しく荒涼とした風景の中で詩情たっぷりに描かれるので、真面目に最後まで見ちゃいます。
それとねー、シャーロット・ゲンズブールがねえ、ちょっとした仕草とか佇まいがお母さんのジェーン・バーキンに生き写しでギョッとシます(感動して)

「プラネットテラーinグラインドハウス」(2007年 ロバート・ロドリゲス監督)

もう、本当にくだらない本当にバカみたいなSFアクション映画で(;´Д`)でも、そこが良いw
(ワシは「フロム・ダスク・ティル・ドーン」が好きな人なんで)
「酒とマシンガンと男と女」の監督であるロドリゲスの面目躍如でして。
そこに細菌兵器とゾンビと片脚の美女(義足代わりにマシンガンを装着!)を打ち込んでできた映画です。
いろんなタイプの肌もあらわな美女がいっぱい出てくるんで、「うわ。この映画資金が潤沢にあるのね」とわかります。どの美女を応援しようか目移りします。

「青いパパイヤの香り」(1993年 トラン・アン・ユン監督)

物語の前半は「おしん
後半はまたしてもシンデレラ物語のヴァージョン違いになりますw
そしてやっぱりここでも自宅の使用人に手を出すご主人様が出てきます。本当にもう!!なんでみんな自宅のメイドに手を出すんだ。

でもまあ、この物語の場合、子供の頃の初恋の「白馬に乗った王子様」がその相手となるので、ぎりぎりエクスキューズが効いていると言うかw
しかもその王子様が読み書きを教えてくれたりもするので、一方的に搾取されているわけではないと言い訳もちゃんとされてます。

が!!なんとなーく透けて見えるおフランスの植民地根性がちょいと気にくわないワシw