山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「満願」

お盆に放送があってた三夜連続ドラマ「満願」を録画してたのを見てみました。

西島秀俊×安田顕×高良健吾 ベストセラーミステリー『満願』ドラマ化!
※これには原作があるんですね。未読です。

第一夜「万灯」 
商社マンの主人公が天然ガス開発のために東南アジアの奥地に行きますが、そこで出会ったのは偏屈なイギリス帰りの地域のリーダーでした。
リーダーは「天然ガスは子々孫々のために使う。外国人には渡さない」の一点張り。
主人公は競合相手のフランスのエネルギー開発業者の日本人社員と一緒にリーダーとの面会に挑むものの、ふたりとも拒絶されてしまいます。
しかし村は貧しく、今現在、病気で死にかかっている子供がいる状態で、村の長老は「あのリーダーさえ殺してくれたらあんたらは開発をしてもいいよ」という驚愕の条件を提示してきます。
そこで二人の商社マンが出した結論は…

第二夜「夜警」
レンブラントかと思ったら違った。
新米警官と同じ交番に勤めている中年の警官が主人公の物語です。
新米警官は何故か行動に不審な点が多い人物で。中年の警官はそれが新米警官の心根からくる「異常なまでの臆病さ」にあるのではないか?と見抜きます。
ところがある日、警らから交番に帰ってくると、新米警官が非常に焦った様子で明らかに様子がおかしい。
不審に思いながらもその夜、出動要請があり、DVの家庭を訪問するとそこで緊急事態に遭遇してしまいます。

第三夜「満願」
畳屋の家に下宿することになった法学部の学生。
その畳屋さんの奥さんはなんだかとても上品で立派な婦人なのに、その亭主ときたら飲んだくれで借金まみれでどうしようもない人物。
奥さんにほのかな好意をもったままやがて彼は卒業し、無事に弁護士になるのですが、なんとその畳屋の奥さんが旦那が借金していた貸金業者を刺殺するという事件が起きます。
彼女の願いは一体何だったのか?

第一夜「万灯」は昭和の頃のエコノミックアニマル的商社マンが主人公で。
「えー。今頃、こんな人いるのお?」と半笑いで見てたのですが(ワシが若い頃はたしかに居たけど)
まあ、東南アジアの奥地の村も大体そんな感じやね的村なんですが。
お話の持って行き方がw
「これ、どーするん!?」的な終わり方なんで、「この人、一流の商社マンじゃないやろ…」という印象になってしまうんですなw

第二夜「夜警」は途中で話の本筋がわかっちゃった。
それというのも、ここ数年「警官の不祥事」が続いてたから(福岡での警官による窃盗とか佐賀でのロリコン警官事件とか)
「人間のクズが警官になることもある」というのは恐ろしいことですが現実にもあるんですよねえ。

第三夜「満願」
コレはよく意味がわからなくてちょっと首をひねってしまいました。
だって、物事の優先順位が変なんだもん。変だから犯罪者になるのかも。
市川実日子ちゃんが演じるにはあまりにも大人すぎる役だったのかもしれませんね。昭和30年代の若尾文子だったら納得かも(色っぽすぎるかしらー)

んで。思ったんですけど。
この作品、夏目漱石の「夢十夜」に似てますね。
「なんだよこれー」「どーすんのよこれーー」な読後感の味わいがとても似ているw
原作もおそらくこの辺を狙っているんじゃないでしょうかね(私のこのカシオミニを賭けてもいい)