山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「白夜」

さて、本誌ヤンジャンで連載中の「ゴールデンカムイ」が最新号にてトンデモナイ事になっておりまして。
「この緊張感とスリルに耐えられないー」(´;ω;`)って感じなのですが。
どうやら世界観がドストエフスキー的になってきているようなんですな。

「どうしよう、ワシ、高校生の時にドストエフスキー途中で投げ出してそれっきりだわ!!」
はい、今ならAmazonさんで中古本が安く買えますので、今月の「1円ブックス」は君に決めたぜ、ドストエフスキー!!
ってことで4冊注文しました。
今年の夏はドストエフスキーをお勉強しますよ(´∀`*)ウフフ

とか言ってたら、GyaOにてヴィスコンティ特集があってて。
ワシが未見だった映画「白夜」が配信されてました。
ワシが大好きなマルチェッロ・マストロヤンニ主演よー(∩´∀`)∩ワーイ

「白夜」(1957年 マルチェッロ・マストロヤンニ主演 ルキノ・ヴィスコンティ監督)

見始めて気が付きました。
「なんだ、コレ、原作がドストエフスキーじゃん!!」
どうやらこの日はワシにとっての「ドストエフスキー日」だった模様ですw

ヒロインの将来を誓った相手の男がジャン・マレーなんですが。
どう贔屓目に見ても女性を相手にする男性に見えないのが痛し痒しw
「一年待って欲しい」とかいう台詞が映画中にあるんですけどね、「なんだい、フランスに置いてきたワケありの男と手を切るためかい?」とツッコミを入れたくなりますw





なんと言ってもこの映画のすごいところは「話の面白さ」と「チネチッタでのスタジオ撮影の妙技」に尽きます。
スタジオが広大で一つの街を作ってしまっております。
バス通りがあって(実際にバスが結構なスピードで走り抜ける)、運河があって、川にはボートが浮かんでて、橋の下には怪しい女性や物乞いの人らが住んでおります。

この夢のような箱庭の世界で繰り広げられるドストエフスキーの悲しい片恋の物語。
まるでこの報われることのない辛い恋の中で、脇役を演じるマルチェッロを慰めてくれるのは街をうろつく野良犬だけなんですな。泣けるー。

行き場のない、宛のない恋の行方を二人の男女が心細げに見つめるお話なのですが。
唯一、ものすごいシーンが有りまして。
「もうすぐ将来を誓った憧れの男性に再会できる」と信じているヒロインが町中のバーに出かけていって、当時流行のルンバやジルバを踊り狂う若い男女を目の当たりにして、自分もはしゃいじゃって踊ってしまうんですね。
そこでマルチェッロが見せる渾身の魂の踊り!!

なんかもう、すさまじくてかっこ悪くてダサくて、でも一生懸命に踊るので感動してしまうんですね。

Le notti bianche di Luchino Visconti - Trailer


本当に美しくて宝物みたいな映画です。
ヴィスコンティとか若い頃、良さが全然わかりませんでしたが、年をとるにつれてどんどん好きになる監督ですねw
本当に素晴らしい映画です。おすすめ。