山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

昨日見た映画の話

最近、ずーっと忙しくて映画を見る暇もなかったので、昨日のお休みは映画見放題の旅に出ました(家に居ながら)
以下、見た映画を列挙↓

・「ショック集団」(1967年 サミュエル・フラー監督)
精神病院内で起きた殺人事件の真相を探るべく、患者となって精神病院に潜入するジャーナリストの悲劇。
「裸のキス」もそうだったけど、サミュエル・フラーの奇妙な味わいがよく出ている映画。
一番芸風が近いのはデビッド・リンチな気がするぞワシは。

・「最前線物語」(1980年 リー・マーヴィン マーク・ハミル サミュエル・フラー監督)
ほぼフラー監督の実体験がネタ元になっている映画。「それぞれのエピソードがすごいんだから連続ドラマとかでやればいいのに」とか「もっとそれぞれのエピソードをちゃんと時間をかけて描けばいいのに」とか思ってたら、なんともともとはものすごく長い映画なんですねw
ワシが見たのは113分バージョンだったのですが、もともとは上映時間162分なんですって。
人があっさり簡単に死んじゃうシーンとか、戦争と日常が一緒になっててぐちゃぐちゃなところとか、実際に最前線を渡り歩いた監督ならではの描き方に感心します。

・「愛の嵐」(1974年 ダーク・ボガート シャーロット・ランプリング リリアーナ・カヴァーニ監督)
子供の頃に見たときは、「なんてモラルがない映画なんだ!!」とびっくりしたけど。
今回見たのはノーカット版で、ワシが見たことがあるのはテレビ放映版でしたので、初めて知ることや理解できたことがいっぱいあって面白かったです。

映画的にはヴィスコンティの「地獄に堕ちた勇者ども」(1969年 ルキノ・ヴィスコンティ監督)と対をなす作品という気がします。
地獄に堕ちた勇者ども」はブルジョワの息子が変態になったら何が起きるのか?の物語でしたが、こちらは変態と変態が出会ってしまったら一体何が起きるのか?という恐ろしい検証映画になっている気がします(^_^;)
それを欲望むき出しの女性監督が男たちを消費しながら描く!と言う。これは問題作ですよ(マジ)

今回、改めて見て知ったんですけど。
オーストリアナチス親衛隊の残党ってたくさん残って居たようなんですよね…それが明らかになるのは1986年以降らしくて…現実は虚構より変態との思いを新たにしました。

・「(ハル)」(19996年 内野聖陽 深津絵里 森田芳光監督)
噂には聞いてたけど、なかなかの秀作でして。
インターネット黎明期のあれこれも思い出しましたが。
それよりも強く思い出したのは、「少し前まで女性というのは世間からこういう扱いを受けていたものだった」という時代的な記憶です。
いまならストーカー事件として通報事案になるような事をw気質の男が平気な顔してやっているというホラー。
本当、今はイイ時代ですよ!!

・「ヌードの夜 愛は惜しみなく奪う」(2010年 竹中直人 大竹しのぶ 石井隆監督)
今までワシは「一番怖い大竹しのぶは黒い家の大竹しのぶ」と思ってましたけど。訂正します。
一番怖い大竹しのぶはこの映画の大竹しのぶです!(゚∀゚)アヒャ
名作「ヌードの夜」や「死んでもいい」「夜がまた来る」に比べると小粒でどっちかと言うとホラー映画風味ですが。

うん、やっぱり石井隆、好きだわワシ(^_^;)