山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「裸のキッス」

今まで噂では知ってましたけど、初めてその作品を見ましたの。それはこれ↓
「裸のキッス」(サミュエル・フラー監督 1964年アメリカ)



んまー!面白くてびっくりしました。勿論、初見でしたけどね。

この映画は、迫力あるカメラワークとその冷徹なタッチで描かれる暗黒の犯罪物語です。
結構、今見てもショックがある物語なので、公開時はどんだけの問題作だったんだろうかと、なんとなく伺えます。
フラー監督自身、若い頃は新聞の犯罪担当記者やパルプ小説のゴーストライターをやったり戦争に行ったりで、色々と苦労なさったみたいです。
だからなのか、映画中の犯罪の表現に容赦がないと申しましょうか(^_^;)とても力強く、リアルで説得力のある筆致で描かれます(素晴らしい)

「やっぱりいちばん頼りになる映画のセレクトはGyaOの無料配信映画かもしんない…」との思いを新たにするのでしたw

それにしてもこのフラー監督作、ワシは初体験でしたけど、なんかすごく他の(凡百の)犯罪映画とは違った印象でしたね。
実に男らしいタッチで、フィルム・ノワールっつーの?
その後に出てくるヌーベルバーグの面影もあるんですわ。
とても不思議な作品。
犯罪を描きながら賛美はしない。でも、その犯罪に身を落とさねばならなかったヒロインに対しての態度はひたすらに優しい。子どもたちに対する態度もものすごく優しい。
なんか「男らしい」って印象すらしてきます。
んー。他の作品も見てみたいですね。