山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」

日本屈指のバイプレイヤーズ(主に脇役を演じる俳優)が集まって「アテガキ」(=演劇や映画などで、その役を演じる俳優をあらかじめ決めておいてから脚本を書くこと)で書かれた脚本を実名で演じるテレビ東京の深夜枠のドラマ「バイプレイヤーズ 〜もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら〜」が好きでした。

仲良しの初老の俳優さんたち(コワモテ)6名(遠藤憲一大杉漣田口トモロヲ寺島進松重豊光石研)が集まってアハハウフフと仲良く暮らしたり問題を解決したりするお話なんですけど。
俳優という仕事、そこで働くことがどういう事なのか、なんかちょっと理解できた気がする不思議なドラマでした(そもそもワシはめったにドラマを見ないので)
このドラマ中、そのバイプレイヤーズたちが共同生活するうちにLINEグループを作ろうって話になって、ドラマ中もよくそのLINEでの会話が出てきてたんですね。

「ふふふ、おっさんら可愛いなあ」と思いつつ見てたのですが。

今年になりまして、「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」が始まりました。
同じメンバーで。しかも、なんと今度はゴールデン枠で登場ですよヮ(゚д゚)ォ!

今回の「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」は、おっさんたちが、テレビ東京で始まる朝ドラ「しまっこさん」(本田望結ちゃん主演)に出演が決まり、いつものメンバー(寺島進だけスケジュール都合により欠席)で撮影地の離島に出かけるものの、無人島に着いてしまって大騒ぎ!いう内容でして。
とても楽しみにしてて毎週録画して、見てて腹抱えて笑ってたんですけどね。

まさか、こんな終りが来るなんて。
まさか、あのLINEグループがドラマ外でも本当にメンバー間で使われてて、本当にメンバーの絆を繋いでいたなんて。こんな結果になるなんて、夢にも思いませんでした。

このドラマ中でも、大杉漣が一番年長で(66歳)
他のメンバーは60歳以下なもんで、自然、大杉漣が「お父さん」というか「おじいさん」みたいなポジションになっててですね。
一番年下のメンバーである松重豊が家事担当及びみんなの世話係で「お母さん」みたいなポジションなんですよ。
甲斐甲斐しく家事をしたりみんなの世話を焼いたり、餃子を焼いたり。
松重豊はメンバー中ただひとり、サラリーマン経験があるせいか。すごく真面目で律儀で、色んな事に気がついて、「縁の下の力持ち」みたいな役割なんですね。

そして今回の悲劇では、ドラマの中の役割そのままを現実でなぞってしまったんですね。



ドラマという虚構を超えて、現実がそのままドラマ以上の事を起こしてしまったという。
悲劇なんだけど、なんだかすごく暖かく、生々しい人の手触りが有る出来事が起きてしまった。そんな感慨に打たれました。

映画やドラマ、「虚構を演じる」って事はどういうことなんだろう?とたまに考えるんですけどね。
今回の悲劇は、とても悲しい本当にショックな出来事でしたが。その背景にある「中の人達」の事が。とても愛おしく、「人間ていいものだな」と思わされました。

まだ、昨夜録画した分の「バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活したら〜」はまだ見ることが出来ませんが。
どこかで覚悟を決めて見ます。そして声を上げて笑います。
大杉漣さんに献杯

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