山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

PICTURES / Katie Melua

PICTURES / Katie Melua

たまたまラジオで聞いてたちまち魅了された彼女の歌声。
その声は土着のもののように。
ファルセットはなく、常に地声で歌われる。
「あ、土の歌」というのが最初の印象。

ロンドンの夜に彩られてメイクアップされてはいるけれど、その後ろには風や土や空の風景が広がる。

そんな彼女が演じる様々なシチュエーションのドラマ。
静かなジャズのようにブルースのように。
その恋の歌は切なく、心の傷の上を撫でる。

☆=5

「あなたがもしも帆船だったら」

あなたがカウボーイだったなら、私はあなたを追うでしょう
あなたが床板だったら、私はあなたを釘で床に留めます
あなたが帆船だったら、私はあなたを海辺に曳航するわ
あなたが川だったなら、私そこで泳ぐの
あなたが家だったなら、私は一日中そこにいるわ
あなたが説教師みたいに言って聞かせたら、私は私の人生すら変えてみせる

時々私は、運命を信じている
でも、きっかけは私たちが作るの
いつもより真実がけたたましく鳴っている
あなたは私を愛する機会を得て
私はあなたを愛する機会を得た

私が刑務所いたって、あなたが私のことを春のようだと思うことを知っている
私が電話であったならあなたは一日中、私を鳴らし続ける
痛みに苦しむ時も、私はあなたが私に慰めの歌を歌うと知っている

時々私は、運命を信じている
でも、きっかけは私たちが作るの
いつもより真実がけたたましく鳴っている
あなたは、私を愛する機会を得て
私はあなたを愛する機会を得た

私が飢えに苦しんでいたら、あなたは食べ物を恵んでくれる
私が暗闇の中いたら、明るいほうへ連れてってくれるでしょう
私が本であったなら、私はあなたが毎晩私を読んでくれると知っている

あなたがカウボーイだったなら、私はあなたを追うでしょう
あなたが床板だったなら、私はあなたを釘で床に留めます
あなたが帆船だったら、私はあなたを海辺に曳航するわ
私があなたを海辺に連れて行くの