山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

NOOK IN THE BRAIN

さて。問題の「脳みそヌックン」こと「NOOK IN THE BRAIN」すごくいいですね!
ちょうど、「MY FOOT」の頃のピロウズをスライスしてそれをばーっと地平線まで切り開いて行った感じ。
「2004年頃のピロウズって最高よね!」(・∀・)主義のワシにとってはとても心にヒットする新作でありました。

※追記=正しくは、「2004年にリリースされた「GOOD DREAMS]から2006年にリリースされた「MY FOOT」の頃のピロウが大好物」と言いたかった。

それと驚くのは、ベースが有江さんに変わったからなのか??
鳴り響く重低音!ブンブンズンズン言ってますね音が。
明らかに今までと音作りが違う。
ハイファイとかローファイとか区分できない印象です。

「どっちかってえとヘビメタ?」な印象の音作りです。

ピロウズに関していつも感心するのは、この日本という歴史的に見ればロックのメインストリームから遠い国で、実はとても独自のスタイルで勝手にロックを再興させてて(そのせいか?いつの間にか日本は「ロックの先進国」になっている気がします)いつのまにかソレが海外に波及していると言うか。
何故か欧米ロックの最前線と際際のところでシンクロしている感じが、なあ。
面白いというか、奇妙というか、突然変異的というか。
すごく独特の存在で。一言で言えば、「うーん、大好き!!(・∀・)」なんですがw

今作も凄いですね。

「もうオルタナはやめた」by山中さわおの宣言はもはや水に流して(^_^;)
この音に踊り狂え。
どの楽曲も素晴らしい。ピロウズはいつだって「捨て曲なし」の全編傑作なんですが、この歳になってもまだ(失礼)新しいことが出来る。こんな事もできる!というのが凄いですね。
日本で鳴らされる大音響のガレージサウンド。こんなの今まで聞いたこと無いかも。
WEEZERが「僕ら1994年に戻らなきゃ。あの小屋でかき鳴らしてたロックを思い出さなきゃ」と歌ったあの「音」はこんな音ではなかったか?と思いました。

ロックの初期衝動をそのままにおじさんたちは相変わらず少年のようなみずみずしい若い音を鳴らしておりますよ。
ピロウズとは常に新しく生まれ変わるバンドである」とはワシのセリフだったはずなのにこうやって現実に物凄い新作が出てくると改めて腰が抜けますねw
あー、気持ちがいいー。もっと腰を抜けさせて(*´∀`)

今作、一番驚いたのは、「Coming Sooon」のサビのメロディ(「まだこんなメロディが書けるっすか!?」という単純な驚き)と「ジェラニエ」でのさわお節の炸裂さ加減。胸がキュンキュンするぜえ。

と。あとは全く期待してなかった「BE WILD]でした。
この曲はリオオリンピックで女子レスリングのゴールドメダリストとなった登坂絵莉選手がピロウズの大ファンという事で、彼女が所属し出演している企業のCMソングとして依頼されて作った曲なんですが…

さわお、ボクシング以外のスポーツ観戦って興味ないんじゃないの…?」というワシの心配は杞憂だったようでw
リオ五輪に行く時に壮行会にてサプライズとして登坂選手に楽曲のプレゼントが披露されたらしいんですけど。
その時登坂選手、感極まって泣いたそうで(すべて伝聞)

確かにこの曲を聞いたら泣くわ…
自分が大好きなピロウズが、自分を奮い立たせて勇気づけるためにこんな真っ直ぐな楽曲を書いてくれたなんて。
色々とその後、登坂選手の背景を知ると、やはりリオ五輪までは、吉田アニキとか他のきらびやかなスター選手の陰で「練習相手」みたいな立場でしかなくて。
彼女もまた、「明日を待っている選ばれない自分」だったんですね。

そこで「太陽に手を伸ばせ」「心のままに」「外野なんか気にしないで」「濁らない気持ちのままで」とか自分が大好きなピロウズが自分のために歌うんですよ。
聞いていると滂沱の涙がこぼれます…

しかし、こんなにも良いアルバムなのに、なんでジャケットが「進撃の巨人」風味なんだろう…