山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

細雪

仕事がお休みの日はせっせと録画を消化するです。
お次は「細雪」1983年版 市川崑監督作品でぇーーっす。

なんというか…時代なんでしょうかね…
変なシンセ音の音楽が、今にも幽霊が出てきそう?というか超低予算の趣があって、「これ、谷崎潤一郎の世界観にそぐわねーw」と思わず笑ってしまいます。
音楽のセンスが超悪い。悪いとか良いとか言うレベルじゃない。「なんか鳴らしとけ」みたいなやっつけ感がありありでこの作品に対する愛情のなさがありありと伺えてげんなりします。

まあ、それでも谷崎潤一郎の世界観。
お話は面白いですわね。
禁断の恋(義理の兄と妹)を匂わせるシーンありぃの。「お嬢様、お願い!その小鳩のような足で私めを踏んでくださいまし!!下郎め!と罵ってくださいまし!!!」みたいな変態性を匂わせるシーンありぃの。
基本のお話自体が面白いので引きこまれてついつい最後まで見ちゃいましたね。

お話としては、大阪の大店の四姉妹(谷崎潤一郎夫人が次女な実在の四姉妹がモデル)が繰り広げる婚活物語になるのかな?<ひどいまとめ
長女が岸恵子(旦那は伊丹十三)、次女が佐久間良子(旦那は石坂浩二)、この二人は結婚しているんですね(大阪と芦屋、別の家に住んでいるはずなのにしょっちゅう顔を合わせている)
吉永小百合演じる三女が奔放な四女(古手川祐子)と名前を取り違えられて、恋愛スキャンダルが新聞沙汰になった時に、新聞に名前が乗ってしまいお見合いに苦労しております。

なのに四女はどこ吹く風で大店のボンボンを弄んだりカメラマンと桃色遊戯したりバーテンダーと駆け落ちしたりします(確かこの女性が後の「痴人の愛」の主人公ナオミのモデルになったんだよね?)

今まで古手川祐子の良さってわからなかったんですが、このはちきれんばかりのおっぱい!!( ゚∀゚)o彡
さがみなぎってて(他の女優がみんな年増なので)、「この子が、こんな上品な家に生まれたのに性的に奔放で思うままに生きているんかい」と思わず(*´Д`)/ヽァ/ヽァしますねw

着物も当時のものとはちょっと違うような?気がして、豪華だけど魅力をあまり感じませんねえ。
しかも映画の中盤になるまでコレが戦時中の話だって全然気が付かなかったしw
「これ…溝口健二で見たかったなあ」(´・ω・`)が正直な感想でした。

市川崑、まあうまいんだけど…趣がないっつーか、切り口上っつーか、女性を取るのが下手ですな←
若い男性を色気たっぷりに魅力的に撮る人ですが女性は…谷崎潤一郎の世界観は…
手ごわかったみたいですね。
それでもお話は面白いので、長い映画ですが見ることができます。
岸恵子のへったくそな大阪弁(上方言葉?)も見ものですな。
そしてやっぱりココでも「吉永小百合、問題外の下手くそさやな」と思わせる二大大根競演映画でございます。

うーん、ワシだったらキャスト。
長女=山本富士子、次女=若尾文子、三女=野添ひとみ、四女=江波杏子 でお願いしたいな(無理)