山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ワシ「八甲田山」を見る

昨日のお話は、どこかにそういう文化を許容する社会があって。
それに憧れる素地があって。
どこかでその文化を開発&発展させて、なおかつ伝播させるものがあるという不思議…というお話でありました。

悪いのは蜷川実花かなー(´ω`)東京オリンピックが心配でたまらないー(棒)

というわけで。録画しておいた「八甲田山」見ましたー(・∀・)
あははは、結構笑える映画でした。
当時なんだってこの映画がそんなにもてはやされたのか?全然理解できなかったんですが。
十分大人になった今、見てみると。
なんとなくその理由が理解できた気がします。

多分コレはね。
当時の観客たちはこの役者さんたちの死にっぷり演技を見たい一心でみんな出かけたような気がします。
ゴアシーン(残虐表現場面)を期待してのことではなかったかしら?

「どんな死に方をするのかしら(ワクワク)」
「撮影中に間違って役者さん達、死んだりしてないかしら?(ドキドキ)」
という…かなり下世話な興味が真っ先に立ってしまって。それが動員に反映されたのだという気がするのです。

だってこの映画、シリアスな映画のはずなのに結構笑えるシーンが多いんですよ。
おそらくは…尿意が我慢できずに、でも手が凍傷にかかってて。ズボンの中で漏らしてしまってそれが瞬時に凍ってしまい。一瞬のうちに凍死する__んだろうと思う__シーンがあるのですが。

これが。歩いてる兵隊さんが突然、
「ううっ!小便」
と言ってワタワタと手を動かしたかと思うと、「ぱったり」と雪の中に倒れて死ぬ?んですが。
このシーンで思わず爆笑してしまいました。

「死に方がエンターテイメントだなあ」(´ω`)

映画そのものは、「なんだってこんな訓練をやるんだか??」の謎の連続で全然共感できないんですね。
「対ロシア戦とか言っても八甲田山ほどの豪雪地帯はロシアには無いやろ?」
「なんでこんな根性だけでやりぬけみたいな無茶苦茶な訓練をやったんだか」
「人の命をなんだと思ってんだ陸軍のバカどもは、こんなだから旅順でイッパイ死ぬことになるんだよ。殺すなバカー!!」
とか思って見ていると段々腹が立ってくるので、役者さんたちの潔い渾身の死にっぷり演技(本当に遭難死してしまいそうな感じこの部分は「ほぼドキュメンタリー」に見える)を堪能するしか無いじゃないですか。

「天は我を見放したのかー」みたいな台詞があるのですが…
見放したのは天じゃなくて陸軍の偉い人ですし…(そこも笑える。自分たちを殺すのは天じゃなくてアホな上官たちなのにね。天のせいにするなよ ( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \ みたいな)

まあ、無念のうちに死んだ人たちを悪く扱わないというのは日本のゆかしい美しい伝統(というか御霊信仰)でありますが。
だからってこんなノータリンな訓練で死んじゃったのなら、ちゃんとその検証と反省があってこその慰霊になるんじゃないでしょうかしらね。

健さんはあいかわらず滑舌が悪いし、画面には(汚いもしくはホモ臭い)おっさんしか出てこないし…ひどい映画でした。
※ていうか、ワシ、健さんの映画で爆笑する確率が高いなあ…