アマプラで配信されてたので見てみました。映画「ザ・ライダー」
全然知らなかった映画なんですけど。
見てみたらこれがシミジミといい映画で。
ド・ローカル(極端な辺境地)を描いた映画って基本、面白いんですけど、これは「スポーツ映画」「青春映画」の面影もあって、とても良かったですね。
舞台はアメリカ中西部?
地元の最大の娯楽がロデオな地域です。
そこでロデオに挑み、馬を調教することを生きがいにしている青年が落馬事故で頭蓋骨骨折の大怪我をしたところから話が始まります。
彼の母はもう亡くなってて。
父は本当にアテにならず(馬を売った金でギャンブルに注ぎ込んだりする)
妹は生まれつき障害があって。
でも、主人公の青年はロデオではお金が稼げないので怪我の療養中、地元のスーパーで働きながら再起を誓うのですが…というお話です。
この映画、この主人公の青年が馬の調教をするシーンが凄くて。
本当に馬に語りかけて、馬の心を開かせ、馬に寄り添って調教するんですよ。
「このシーンの撮影どーやってんのよ!?なんでこの俳優さんは暴れ馬の心を開かせることが出来るのよ!?」
と非常に驚いたんですけど。
後で知ったことですが、なんとこの映画、「本人が本人の体験したことを再現しながら演じている映画」だったんですよ。ひゃー(*_*)
そりゃあ、話に説得力があるはずですよ。
主人公の「中の人」はリアルにロデオのライダーであり、馬の調教師なんですもの。
そして、主人公の青年の友人でロデオの事故で半身不随になって、会話もできなくなってしまって病院で暮らしている男性「レーン」も、ご本人が演じているんですね。
このレーンと主人公の青年の友情がなんとも胸が熱くなります。
リハビリを手伝いながらレーンを励ます主人公。
しかし、レーンも主人公を励ますんですよ、勇気づけようと言葉をかけるんです(指文字で)
人生は辛く、しんどいことの連続で、何一つ思い通りにはならないし、妹は高校生になってもブラを付けてくれないし、馬は売らなきゃいけなくなるし、家の貧乏さは一向に治らないし…
それでも主人公は、調教中の馬と一緒に草原を走る気持ちよさはなにものにも取り替えがきかないくらい素敵なことだと思っているし。
たった8秒間に命をかけて暴れ馬に乗るロデオをやるためなら自分のすべてを掛けてもいいと思ってるんですね。
人生は何一つ思い通りに行かなくて、ひどいことばかり起きるけど、それでも人生は続くんですよ。