山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「IT」再見

今から25年ほど前に一度見たきりだったスティーブン・キング原作のホラー小説「IT」を初めて映像化した作品。
1990年にアメリカのTVシリーズとして制作されたドラマ「IT」を見直してみましたよ。
ワシが見たのは1993年とかだったはず。
なにげーに見てて。
シャワールームの排水口からピエロが出てくるシーンで、一緒に見てた初号機(当時二歳)が火が着いたように突然泣き出して大騒ぎになっちゃったんですよね…家でだけど。
…以来、彼女は名実ともに立派なピエロ恐怖症です。

で。見直してみたら。
「やっぱり地味な映画だなあ」と思いました。
ところどころ、キングの原作の感じが上手く出ているんですけど、予算の都合で原作にあったパニックシーンは当然、無い。
原作で大問題になった「儀式」のシーンも無い(原作では恐怖に立ち向かうため、子どもたちがインディアンの儀式をまねて喫煙?をする)

で、もう一つ、おとなになった後に「負け犬クラブ」のメンバーは重大なことを思い出すんですね。
※ネタバレ注意のため、白文字で書いておきます→メンバー全員が紅一点の女子メンバーベヴとセックスをして自分の子供時代を終わらせるという部分です

唯一、このテレビドラマ版「IT」で感心したのはこの部分でした。
もちろん、直接描いているわけじゃない。
ただ、おとなになって再会した時に、必要以上にお互いが肉体的な接触をするんですなw
なので原作を読んだ人だけ、「あ!」と気がつくシーンになってます。

あとはピエロのペニーワイズ役のティム・カーリーの怪演がすごい(図書館のシーンで鳴子をガシャガシャ鳴らしながら手すりにまたがって騒ぐシーンは当然、彼の出世作「ロッキー・ホラー・ショウ」の手術室のシーンを再現しているわけです。

ま、頑張って作ってありますけど、キング原作の映像化としてはあまりにも寂しい。
だからこそ、2017年にリメイクする意味があったような気がします。
そして今回のリメイク版ではちゃんと物語のクライマックス、パニックシーンが映像化されると期待してますともー(ちゃんと第一章で舞台となる給水塔が出てきたし)


※ティム・カーリー、大好きな役者の一人。「ロッキー・ホラー・ショウ」でのフランクンフルター博士役で世に出ました。
今は車椅子生活らしい。元気になってね。