山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ムベ成るかな

「むべ」は「むべなるかな」の語源にもなった(天智天皇行幸の際、地元の老夫婦に長寿の秘訣を尋ねた際、「この果実を食べているからです」と答えられて「むべなるかな」と漏らしたと伝えられている)皇室に献上されていた(しかもつい近年までw)果実です。
太古の頃より「不老長寿の実」として珍重された日本の秋の実りですよ。
実のなりかたは、ツル性の茎が他の樹木にぐるぐるまきついた先にマンゴーみたいな感じで鈴なりになってて見た目がかなり豪華です。

アケビだと実がパックリと割れて美味しい果実部分が出てきますが、ムベは閉じたままで割れません。
なので、マンゴー状の果実をちぎってきたら、キッチンバサミでチョキチョキと切り開いて二つに割って、スプーンで種をすくいとり、種の周りにまとわりついている透明ゼリーの果肉を味わって、黒い種は出します。
ちょっと食べにくいし、せっせと口内で種と果肉をより分けなければならないので口が疲れますが。
他の果実では味わえない上品で甘い味わいが珍しくて、ついつい欲をかいて(^^;大量に採取して帰ってきましたよ。

だって日当たりの良い場所だったせいか?モノスゴク大量に実っててワシが十数個採取したところでまだまだ鈴なりに実ってました。
サルも食べにこないなんて事があるんですね。

「そういえば、どんぐりを森に撒くとかいう話があったよなあ」
と漠然と余計なことを思い出すワシ。
あーんな事、なーんの意味も無いことなのにね。
結局はパフォーマンスとして目立つことすれば寄付も集まってウマー!って事なんでしょうが。

本気で野生動物を森にとどめておきたい。里に下りて来させたくないと思うのだったら、「どんぐりをヘリコプターでばら撒く(餌の問題さえ解決出来ればいいんでしょ?)」なんて事に効力がないことはスグに気がつくことだと思うんですけどね。

野生動物を山から下ろさない為の一番有効な手段は、「里山をちゃんと手入れする」って事ですよ。
人が住む集落?里山?山(森林)というゾーンをちゃんと作れば野生動物は人里に下りては来ません。

でもその為には膨大な人手と時間、労力がかかります。
それが出来ないから野生動物は山から下りて来ちゃう。
その手間をぶっ飛ばしてヘリコプターのバラマキで解決できると本気で考えている人って、まあ、考えようによっては都会の現代人って事なんでしょうが…