山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

魔法の杖

昨日も同じ道を歩いてみたら、相変わらずムベは鈴なりに実ってて誰も採ってなかったですね。
鳥がつついたりしているようで、穴が開いたものが数個ありますが、殆んどは無傷のままで盛大にぶら下がっております。
このまま誰にも食べられずに腐ってゆくムベを、「モッタイナイねー」と思いつつ見上げても「もう、今シーズン分は十分食べましたから」と見送るワシ。

里山の実りは豊かですが、誰も手を入れないし(そもそも山に入る人がほとんど居ない現状)薮が茂るままで放置されているので、イノシシ天国になっちゃっているんですよね。
イノシシが藪づたいに人里に降りてくれば、サルも一緒に下りてくる。
ウチの中庭にあるエゴの木の上に野生のサルが乗ってて、敵意に燃えるサルの目とワシの目が合った時には倒れこみそうになりましたよ(ーー;

本当は人海戦術里山を手入れして藪を払い、ちゃんと「人の手が入った明るい山」として里山を管理すれば、その奥にある更に奥深い山から藪伝いに野生動物が人里に下りてくるなんて事は無くなるはずなのですから。
解決策はちゃんと分かっているのに、そんな手間と時間と労力ががかかる事なんか誰もやりたくないんですよね(´・ω・`)
魔法の杖の一振りで、あっという間に手軽に簡単に解決できる方法を探している。
それが「ヘリコプターからどんぐりをばら撒く作戦」なんですよね。

本当に熊が成熟した地上に落ちているどんぐりを食べるのか?とか。
その分量はどっから算出したのか?とか、山の一部にだけ撒いて効果あるのか?とか、他の山に影響は及ばないか?とか。
そんなのは多分、どーだっていいんですよ。
それがなんだかなー。
と、言うのがこのニュースを聞いたときのワシの素直な感想であります。

昔、ある教育講話を聞きに行った人が、「どんなお話だった?なんか役に立つようなすごい言葉とかあった?」と行ってない人から訊かれている様子を横で見てて物凄い違和感を感じたことがありました。
その時のことを思い出します。

「私たちが知りたいのは、たったの一言で問題が解決する大切な言葉なのにね!なかなかソレを教えてもらえないのよね」
と、言い合っている奥様がたの姿を横で見てて、
「そんな魔法の言葉なんかこの世のドコにもありませんよ」
と、思わず突っ込んだ事もありましたよ(トオイメ)