山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

日本武道館に想う・中身編

あ。ココまで書いて思い出しましたが。
この武道館の設計者、山田守。
ご存じですか?
他の作品で言えば、有名どころは「聖橋」とか「京都タワー」でしょうか?
他にも色々あるので、目の前の四角い箱で見てみてくだしゃい。

京都タワー」は最初に見たとき、「なんでこんな毒キノコみたいな物凄い物体がこんな町中にあるんだ!?」と激しく驚愕したものですが(高校生の時)
でも、大人になって、夜の京都を訪ねてみたら。
あの和ろうそくみたいな、ボンヤリと光る姿がなかなか宜しいですね。くるりのジャケ写にも写ってますが。
このタワー、夜の方が断然良い姿です。
昼間の禍々しい姿が嘘のように、楚々とした京美人にみえますえ。
不思議どすなぁ。

閑話休題
さて、武道館の中身はどうなのか?と、申しますと、コレが。
古いですねえ。さすがにかなーーり古いです。
大阪の通天閣ほどのヤレさはありませんが、やっぱり通路とか、「かなり古い体育館」という印象です。
古いのは当然ですよね、東京オリンピックに合わせて突貫工事でこさえたんですから。

かなり年季の入った、昭和の香りプンプンの通路を通って中に入りますと、
「何コレ!?こんな建物他に知らない!」
という印象です。
東京ドームとも違う、福岡ヤフードームとも違う。
横浜アリーナは行ったこと無いから知らないけど、福岡マリンメッセとかとも全然違います。
まさに唯一無二の建物です。

アリーナはまさに「すり鉢の底」
スタンド席が2階3階にあるわけですが、コレが凄い。
二重に架けられた「肉の壁」って感じです。
垂直に切り立ったみたいな角度で(ワシは2階席とかに昇って無いので、実際の角度がどれくらいか?が全然判らないのですが、下から見上げた感じだと本当に凄い急斜面に見えるのです)椅子が並べられているので、一斉にお客さんが立ち上がると、奥の壁面が見えないくらいのボリューム感で人垣が現れるのです。
丁度、人間が架け干しされた稲みたいに見える状態?とでも言えばいいのか。

とにかく、スタンド席の人たちがぐるりと内部を囲み、同時に縦のボリュームも結構あって、それらが一斉にコッチを見て居るんですよ。
人の視線が一点に集まる緊張感のある内部設計です。
しかも、同時にすごく人肌を感じます。
内部の巨大さが全く気にならないというのが、武道館の実力だったのです。