山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

私の声が聞こえますか

昨日、ナニゲに風呂上がりにテレビをつけたらこんなんやってました↓
<a href="http://www.nhk.or.jp/special/onair/090328.html">
「私の声が聞こえますか?植物状態からの帰還?」</a>

この番組ですごく意外だったのは、「植物状態の人にも表情がある」という事でした。
殆ど間近にそういう状態の人を見たことがなかったので(今にも死にそうになってて意識が無くなっている人なら何人も見たことがあるのですが)
この「植物状態」という言葉とはあまりにもほど遠い、「生きている人間」としてのたたずまいが衝撃でした。

以前テレビで、身体が不自由なお子さんを持つお母さんが、「この子、何か言いたがっているわ」とか言いながら、この気持ちを代筆すると自称して、「お筆先」みたいな、(明らかにそのお母さんの)自作の面妖なポエムを書いたりするのを見たときには、
「ああ、あのぬいぐるみを連れ歩いてて、『この子、なんだか今日は寂しそう、キャポ☆』とか話している不思議ちゃんカップルの片割れみたいなものか」
と思っていたのですが。

植物状態の患者さんの様子は、ソレとは明らかに違っていましたね。
表情が、勿論、健康に暮らしている人のソレとは違いますが。
確かに、何かを感じ取っている表情なんですよ。そこに衝撃を受けました。

「あ、今、見てんじゃん。何か言いたげじゃん!」と見えたんですね。
リハビリの訓練を受ける病院に到着すれば、「ここ、どこ?」みたいな緊張した表情を見せる。
若い綺麗な看護婦さんに励まされれば、良い格好しようと(してるようにワシには見えた)努力する頑張る姿勢を見せる。

コレがワシの目の錯覚でない証拠には、リハビリを受けるほどその患者さん(元英語教師40代男性)は自分で咀嚼してご飯を食べられるようになり(それまではチューブ生活だった)、4週間にわたるリハビリが終わって自宅に帰る頃には別れを惜しんでか?見送りに出てきた病院スタッフを前に、涙をダラダラと流すんですよ。

コチラの声はちゃんと聞こえているらしいので、それに反応できないもどかしさとか色々あるんでしょうねえ。
ご家族の懸命な献身的な看護も本当に大変でしょうが。
でも、希望があるというのがこの番組最大の見所でした。

「そうか!ワシの珊瑚ちゃん一日千回猫スクワットもコレだったか!」
と自覚しました。