山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「WHITE INCARNATION」全曲レビュー5

08.夜明けがやってきた

まさにこのアルバム中、白眉!
白い眉毛!!白髪三千丈!!!(意味不明&興奮中)

この曲の素晴らしさはワシにですらも、一発で伝わりましたね。
そしてこの曲こそがこのアルバムのタイトル曲であるという事も。
もう、曲の全編隅々までが素晴らしい&美しい。
ただ、問題なのは「ちょっとアレ」なヴォーカルだけー(??;

いや、本当にピロウズに第一期とか第二期とか時代ごとのエリア分割をするのだったら、いっその事、
さわおのヴォーカル駄目期」って事でひとくくりにしてはくれまいか?(酷)

まず、イントロ。
イントロから美しい。

毎朝五時前に起きているワシは(苦笑)否が応でも夜明けをよく見ちゃいます。
ある日のこと、秋の高い空が明けてゆく様子をずーっと見てた事があるんですが。

空の手前には黒い和紙をちぎって水に流したような暗い灰色の雲が放射状にたなびき、
その向こう側、高い空にはまだこの世界に顔を覗かせてはない太陽の反射を受けたオレンジ色に輝く雲がぽかりぽかりと浮かんでいます。
その雲のまだ見えない隠れた太陽から放たれた光を受けた側はキラキラと金色に輝き、空が見事なグラデーションでオレンジ色から朱色へと染まってゆくその様子。
そしていよいよ山の稜線の向こう側からは白く輝く太陽が力強く昇ってくるその瞬間の見事な事!

まさにその様子を音にしたモノですよ、このイントロは!
本当に、その夜明けを見た時、このイントロがワシの脳内ではフルボリュームで鳴り響いたんですから嘘じゃないw

新しい夜明けを信じて、「今日だけは僕のために夜明けがやってきた」なんて歌う少年さわお
この後、まだまだ眠れない夜が続くとも、人生の困難が待ち受けてまさか自分が円形脱毛症になっちゃうとも知らない運命のままで、
「自分のあてどもない希望を敢えて、高々と掲げてみせる」のです。

本当に、ココにワシはやられちゃうんだわー(´д⊂)
この楽天性はまさに彼の武器です。

「眠れなくなって道ばたに一人、座りこんだ僕を包んで」
「オレンジ色の空と化粧すませた雲」
「無口なビルのシルエットもみんな歌ってた」

「”なにもかもうまくいくさ”そんな気がした」

この当時はピロウズがこんなに続くなんて夢にも思っていなかったんだろうなぁ。