山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

SIVER STARという名のギター

この店の壁に掛かっているギターを見てみれば。
Gibson?ALesPaul Re-issue '88 ¥348.000」
はー、なるほどねえ。ワシ(ら)には関係のない世界の話しだーねー。
「ま、つらつらっと見て、帰るか」と思っていたら忙しそうな店長が話しかけてきた。
「どんなギターをお探しですか?」

ま、ココで隠し事をしてもツマランので、正直に一部始終を話すワシ。
「娘がギターを始めてて、エレキギターを弾きたいと言っている。高校の入試に合格したら
ご褒美に買ってあげる約束をしたが、なんせシロートなので選択の基準が判らない。
本当はフェンダージャパンの安価なストラトを買おうと思っているのだが、たまたま偶然
この店の前を通りかかったので、ちょっとどんなギターがあるのか覗いてみた次第。予算は4?5万」

すると店長の顔が「パアッ」と輝き(何故?)ワシに向かってひとくさり、
「現代量産体制のエレキギターに関する懸念と危機感。世間を満たすクズ楽器にお金を出す
人が大勢居る事のやるせなさ」を話し始めた。
ワシは「その道の専門家」から話を聞くのが大好きである。
本を読むより「その道」に関する様々な事が即時に理解できるので。
するとこの話題は実に色んな問題をはらんでいて、非常に興味深いものである事が即座に判った。
つまり「今様」のブランド名を冠したギターであっても、実は1980年代?1990年代初頭の
国産ギターの音には敵わない_という事実。
つまりこの1980年代?1990年代初頭という時代は、「国産ギターが最も隆盛を極めた時期」
であるからだ。
良い材料(木材)が手に入り、工場で働く職人さんの技術も最高であった時代_らしい。
「この頃に作られた国産ヴィンテージギターは、絶対フェンダージャパンになんか負けません!」
と力強く断言なさる店長さん。
「具体的に試奏してみましょう!!」ときっぱりと仰った。
「じゃあ、お願いします」とうなずくワシら母娘。

ここで取り出されたのが「Tokai 1981 SS-36 SILVER STAR」
細身のストラトタイプのギターで、非常に見た目が繊細で美しいギター。
フェンダージャパンの安いストラトと弾き比べて、ビックリ。
「なんだコリャ、話しにナランじゃん」
安いストラトの紙やすりで皮膚をこするような音と全然違う>Tokai SIVER STAR
「同じような値段でココまで違うものなのか?」
ハイ、目から鱗がハラリと一枚落ちました。