山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

サム・ライミを語る 2

ここでサム・ライミ作品をおさらい。
デビューが「死霊のはらわたhttp://cinema.intercritique.com/movie.cgi?mid=338(1981年)
コレをわざわざオールナイトで見に行って、他に観客が居なくて、あまりの恐ろしさにダンナと手に手をとり合ってヒステリックに大笑いしたのは良い思い出であるが、当時のライミ監督への感想は、「バカなくせに面白い人だなあ」という印象だった。

こんなどうしようもない(失礼)「血しぶきホラー映画」(若い男女がキャンプに行って「思わず地獄巡り」する内容)を、ものすごーく一生懸命手間ひまか掛けて凝った構図で撮っているので思わず感心させられた。
「なんか真面目そうな人だなあ。でも情熱も感じるし、変な笑いのセンスも感じるなあ」と言うのが当時の感想だった。

続く「XYZマーダーズ」(1983年)は未見。パス。
死霊のはらわたII」 (1987年)に至っては「見た筈なのに印象に残ってない」だはは(--;
ブルース・キャンベルが一人で大爆発していた…という印象だけが残っている。
んで次が「ダークマンhttp://cinema.intercritique.com/movie.cgi?mid=1048(1889年)
コレが実は「問題作」!
コレを劇場で見た時に、「あれえ?『デロリンマンhttp://payon.svc.ocn.ne.jp/ebookjapan/title.asp?titleid=3833だよコレ??」とものすごく困惑させられた。
「醜い姿に変わってしまったが、心の中には燃える正義への思いと優しさを秘め、日夜愛と正義の為に戦う男、デロリンマン(=ダークマン)」
この「悲しみを抱えたヒーロー」というのは確かにアメコミの世界にもある造形ではあるが、「あまりにも似ている…」「でも、アメリカでもジョージ秋山って読まれているの?」と困惑した次第。
(しかし後々、ライミ監督の「マンガ熱」を知って以来、「ヤロウ、やりやがったな」と確信した)

そして次作は、あぁ、実はワシは大好き「キャプテン・スーパーマーケットhttp://cinema.intercritique.com/movie.cgi?mid=1047(1993年)
この作品で「ライミは(やっぱり)天才かも」と思った。
アーサー王の城のシーンの凄い事!
「こ、この人なら、『指輪物語』を映画化してくれるかもしれん」と思った瞬間だった。
この「ムダに濃密」な画面。話しはブットバシ気味。
しかし画面にはなんとも言えない情熱がほとばしっていた。

「とりあえず、本気の映画バカ?」ライミの本質が見抜けた瞬間だった。