山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

サム・ライミを語る8

なんか、このライミイシリーズを書き始めてからカウンターの回り方がスゴイんですけど…
もしかして皆さん、そんなにライミがお好きですか?(^^;
ただ単にウォッチされている気もしますが、まぁイイヤ<大ざっぱな性格
なんかやっとこさ「最近の話し」に近づいてきましたし。

で、その「ギフト」もっぱらケイト・ブランシェットのパンチラシーンが話題になる映画ではあるが(ホントにマジゴケしているとしか見えないケイトのオオゴケ瞬間のパンチラが凄過ぎて、思わず「わ、わ、わ!」と叫んでしまった_初見時)、勿論、ホラーサスペンス映画であるので、ちょっとした気の利いたショックシーンもあるし(昔からのファンはコレが嬉しい。「流石に巧いなあ!」と感心しちゃうくらいのかなりイイカンジのショックシーンである)しかも「シンプル・プラン」でも描かれた、「本当に心が美しいとはどういうものか?」「真に尊い自己犠牲とは如何なるものであるか?」を滔々と語って見せる。

思わず感動して泣きぬれた訳であるが(映画見て泣くのって気持ちがイイわよね)、なんとも「ライミって優しい人だなあ」と感心した。
いや、実際に「優しい人かドウか?」なんて知らないし(つきあいは無いし)、映画監督なんだからきっと厳しい部分を勿論持った人なんだろうが、このなんとも、人間全般に対する慈愛とも言うべきまなざしに、まんべんなく降り注がれる愛情に感服した。

「クズ人間でも生きる価値はある」「クズ人間だからといってその生き方を誰にも否定されるものではない」
こんなテーマを映画がちゃんと言ったのって、フェリーニの「道」くらいだと思っていたので、久しぶりに映画が掲げて見せたこの、なんだろう?「宗教的愛」と言ってもイイくらいのテーマには感動した。

「だってこんな大事な人生のテーマ、誰も普通に教えてくれないじゃん?」<正直な感想
である。

そしてこのテーマは何と、(本来は売りウッド商業成功志向型バリバリ大儲け路線映画である筈の)次作「スパーダーマン」(2002年)http://cinema.intercritique.com/movie.cgi?mid=9610へと受け継がれ、更に発展させられる事になる。
だって今までの商業映画と言えば「娯楽がイチバン。ゴタクは二番」な筈であったのに、そこにライミは「貧乏人賛歌」とでも言うべき、「アメリカの普通に暮らす貧しいが心正しい人々を絶賛する」というテーマを加える事になる。