山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

オフ-2-03-前編

朝、せちたろーが元気がない。
「お客さんが帰っていくのが寂しい」のだ。
「こんなに楽しい日々を過ごしても、みんなはいつか、おうちに帰ってゆく」という事実が辛いらしい。
「みんな、二度と会えない人たちだもん」と目に涙をためて、朝からワシに文句を言うので、ワシは、
「そんな事ナイよ、みんな、またキット必ず遊びに来るからねって言ってくれているよ」と答える。

せちたろー、MさんとTさんに見送られて学校へ行く。
泣き顔を見られたくナイらしく、振り返りもせずに、走って山道を駆け下りて学校へ行く。

みんなでまた、ゾロゾロとボイスの散歩。
パン屋さんまで歩く。
ボイスはこの店経由でウチに養子に来た。
帰ってきてお客さん方は荷物をまとめ、みんなで近くのイタリアンレストランにランチを食べに行く(第一回オフで初日の夕食を食べに行った店)

ランチ後、空港へ。
いよいよお別れの時間。
子鬼、飛行機を見てゴキゲンだったが、「みんな、何処に行くの?」と聞くので、「みんなもう、おうちに帰るんだよ、飛行機に乗って」と答えると、一気に表情が歪む。
「アタシも行くモン、一緒に飛行機に乗って、みんなと行く」と唇をゆがめながら子鬼が震える声で言う。
「みんなおうちに帰らなきゃ行けないんだよ。でも、またいつか、きっと会えるよ」となだめる、ワシ。

↓後編へ続く