山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

愛情のモンダイ・その1

ボイちゃんと長い散歩。近くの峠道を上る。
古い狭い道で、ミカン山に作業に入る人が使う山道。
ここを上ると、シーホーク・ホテルや福岡タワーまでが見晴らせる。

山の中の溜め池沿いの道を上る。
頂上近くまで登り切った時、突然ボイスに「スィッチが入る」
全然気配も無いが、どうやらすぐ近くに野生動物がいるらしい。
ワシ、少し怖くなって、「な、何がいるのボイちゃん!?落ち着いて。追いかけなくてイイから!」と言って聞かせる。
しばらくは「いつでも戦闘態勢モード」に入っていたが、通り過ぎると落ち着いた。
何がいたのかは最後まで不明(狸?)

歩きながら考え事。
ライ(ボイちゃんの父犬)はどうしているのだろう?何かお手伝いできないだろうか?
ライをウチでしばらく預かってもイイが、何せ飼い主であるM さんのご主人が「回復不能な病気」であるし、ライ自身は「一時でも長くご主人のそばにいたいのではなかろうか?」とも思う。

犬は、心から尊敬し、愛するご主人のそばにいられるのなら、たとえ散歩に行けなくとも、家の中から漂ってくるご主人の気配や声、立てる物音なんかを聞いていられるダケで幸せなのではナイか?
「ワケワカンナイ家」(ウチだ)に預けられ(なんだか自分にウリ二つなワカゾーがいるし)、いつ、ご主人が暮らす家に帰れるのかわからずに不安な日々を送るより、ずっとご主人のそばに仕え、たとえ長い散歩に行けなくなっても、ライはご主人を恨んだりはシナイのではなかろうか?
犬とはそういう生き物ではないか?
たとえ愛されなくても、虐待されようとも犬は決して、飼い主を恨んだりはしない。
無償の愛情を捧げる、「無私の生き物」である。
やはり、「ライにとっての幸せは、一日でも長くご主人のそばにいること」と思い至る。
Mさんが「SOS」を出してくれば、いつでもお助けする心準備だけはしておこうと決める。