山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

日曜日の公園にて

せちたろー、散歩先で大ゴケ。
ワシはボイスにベビーカーをひかせて後からついて行き、せちたろーはヒト足先に自転車で公園に入っているはずであった。

ところが、麦畑を抜けて公園の入り口が見えてきたと思ったら、せちたろーが自転車ごと公園入り口の上り坂の上でひっくり返っていた。
「大丈夫?」と言い近寄ると、痛さの余り声も出ない状態。
「待ってなさい」と言い置いて、とりあえず、公園内に子鬼とボイスを入れて木陰に繋ぐ。
慌ててとって返し、せちたろー救出。
見ると、右膝にヒドイ擦過傷。血がダラダラ。アスファルトで盛大に削った様子。

公園内の水道で傷口を洗っていると、「あれえ?せっちゃん」とベンチに座っていた男の子が話しかけてきた。せちたろーのクラスメイトだった。
せちたろー、大泣きしているところを見られてバツが悪いらしく、「帰りたい」と言い出す。
「歩けるの?」と聞くと、「歩けない」と言う。
「ケータイもないし、お金も持ってきてないから家に電話できないよ。お父さんに迎えが頼めないから、痛みが治まるまで休憩しよう」とワシが答えると、
「こんな痛いの一日中治らないよ」と言いながらベソベソ泣き続ける。
「日陰で休みなさい」と木陰にせちたろーを引き入れ、ふと見渡すと・・・・子鬼がイナイじゃんかよ・・・・

「どこっ!?」と探すと、崖の上に立っているし。
ロッククライミング用の壁が気になるらしく、崖の上から、その壁を「ぐうっ」と身を乗り出して覗き込んでいるし。
「そのまま、そのままジッとしていなさいぃっ!!」取り乱して叫ぶ、ワシ。
「でへへへ」と言いながら、ワザとさらに身を乗り出す子鬼。
「オマエはホントに、ホンットに鬼じゃあ?っ!!」母は本気で怒る。
ワシの頭の中ではすでに子鬼は崖下に転落して、頭蓋骨がかち割れて脳味噌が飛び散っているトコロであったが、子鬼、ワシのあまりの剣幕に恐れを成して、チャンと階段を下りて自分で帰ってくる。
「よしよし、それでよし」母はほっとする。

せちたろーが落ち着くまで待って帰宅。
「公園で一番大人しくて、言われた場所でジッと待っていることが出来て、一番手がかからないのはボイスだったな」
正直な感想を帰宅後、ダンナに伝える。
ワシは犬のしつけには成功したが、子育てには失敗だらけなのかもしれない。まぁ、いいや。
犬は2年で大人になるが、子供は20年かかるからねえ。気長に行くさぁねえ。