山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ボイちゃん、三歳

ボイちゃん、バースデイ。三歳である。

一歳より二歳、二歳より三歳と落ち着いてきて、ワシら家族ともどんどん馴染んで「いいカンジ」
「誰からも祝福されずに生まれてきた」ワリには幸せな犬生を送っている(ハズ)と思う。
ボイスの母犬プリンちゃんはボイスを生んだ当時、まだ一歳にも満たないロリータ・ハスキー。
ベージュと白のフサフサの体毛。白に近いアイスブルーの瞳の美しいわんこであったが、
元気かな?

ボイちゃんが生まれたいきさつは「ボイちゃん物語」にも書いたが、
もうチョット詳しく説明すると、母犬も父犬も「外飼い」だったゆえの誕生だった。

当時プリンちゃんは、庭の立ち木の周りを高さ120cm位のフェンスで囲んである
(4畳くらいの広さ?)トコロで飼われていた。
父犬となるライはその家から200m位離れた海岸沿いの家に飼われていて、
飼い主は、プリンちゃんの飼い主から「ヒートが来てるから、犬を放さないで」と注意されていたのだ。
しかし、このライは「縄抜け名人」犬。
飼い主が「縄抜けしないように」と首輪二個プラス胴輪で三本のリードにつなぎ、
庭の立ち木に繋いでいたのに、一夜だけ縄抜けしてしまった。
(飼い主曰く「庭の木の周りに胴輪と首輪が脱ぎ捨ててあったの」)
その「一夜の過ち」で出来たのがボイちゃん。

プリンちゃんとライはフェンスの内側と外側から同時にトンネルを掘り進めて、
「思いを遂げて」しまったのだ。

「う??ん。フェンスのウチと外の両方から穴掘って、二頭が力を合わせて努力する。
その姿が美しいわね」(この話を最初に聞いたときのワシの感想)

しかし、プリンちゃんの飼い主は
「この一歳にもならないウチのロリータわんこが妊娠しているなんて夢にも思わなかった」
らしく、三年前のこの日の朝に、「生まれてしまっている子犬」を見つけて驚愕するコトになる。
しかも、その子犬はライにそっくりな毛色。犯人バレバレ。

貰ってきたときは「ちゃんとしつけられるのであろうか?」と不安だらけの
出発であったが、「案ずるより産むが易し」で「いれば楽しいわんこ生活」であった。

何度も言うようだが、犬との暮らしは「子供がいる暮らし」に似ておる。
大変なこともあるが、「喜び」はその何倍もあるし、生活の手応えと言うか実感、リアルさみたいなモノが満ち溢れる。そんなトコロがよーく似ている。

犬と暮らして楽しいヒトは子供と暮らしても楽しいヒトだ。