山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

ボイス追悼 2

昨日は書けども書けども、来るまでの経緯にどんだけの文字数をかけても、なかなかボイスが登場しなくて、もうドーナッチャウ事かと…フー(^_^;)
で。昨日の続きでございますm(_ _)m

ボイス、我が家にやってくる

1997年10月
そのパン屋のパートの奥さんがやたらワシにグイグイと子犬を勧めてくるんですね。
「えー。奥さんの家の子犬なの?」と聞くと、その奥さん、苦笑しながら
「うちの犬が近所の犬と間違いを起こして、不義の子が生まれちゃって…」とかおっしゃるんですね(^^;

「犬で不義の子って…??」(^_^;)
と事情がよくわからないワシは困惑して話を聞いたのですが。
よくよく聞けば、その奥さんの家に「ワケアリ」の犬が居るようで…
「ワケアリの犬って…?何??」(^_^;)

犬の世界も色々あるようですね。
事情を詳しく聞いてみれば。
まず、その奥さんの家には「四国犬」という日本古来の犬が居て。
その犬が非常に良い犬らしい(コンテストで賞をもらったことがあるらしい)のです。

※世の中には「犬を鑑賞する」という世界があって(ソレは昨日書いたドイツからやってきた美人ジャーマンシェパード「ネルダ」のことで知っては居ましたが)、その世界で賞を取るとは本当にスゴイ事で。
その世界で大金が動く__らしい?のですね。


なんでも「一回の種付け料」が「10万円」とも「20万円」とも言われる世界の犬が、この奥さんの家におりまして。
その犬が近所のロリータハスキー犬と間違いを起こしてしまってですね…
「子供が五匹も生まれちゃって貰い手を探しているの〜」と奥さん半泣きなんですね。

「え?その犬の子供って証拠があるんですか?」と驚いて尋ねると、その奥さんが言うには
どの子もみんな四国犬そのものの毛色でハスキーじゃないのよ〜」(´д⊂)
だそうで、なるほど(^_^;)父犬は火を見るよりも明らかって事ですね

「お願い助けると思って!実は生まれた犬の5匹のウチ2匹はもう雌だからって理由だけで母犬の飼い主が殺しちゃっているのよ!!」
との奥さんの懇願を聞いてるうちにワシの心がちょっと揺らいできて
「分かりました、今度子犬を見に行きますよ」
と約束したんですね。

それで、後日約束して、その奥さんが母犬の家に連れて行ってくれました。
海にほど近い古い集落の農家のお宅で。
母犬のロリータハスキーは庭の立木の周りにフェンスを張って囲われた中に、犬小屋と子犬とともに暮らしておりました。

このハスキーはまだ1歳にもなるかならないかくらいの若いメスで。
初めてのヒート(発情期)が来たので庭の犬小屋の周りにフェンスを立てて自衛してたのに、近所の四国犬が縄抜けしてフェンスの外から穴を掘って(ハスキーもフェンスの内側から穴を掘って助けたらしいw)勝手に交尾したので飼い主の奥さんは…怒ってらっしゃいましたね(ーー;
ハスキーの飼い主の奥さんは、
「うちのプリンちゃんは血統書もついているし、大事に飼ってたのにこんな勝手なことされたら困る」
四国犬の飼い主の奥さんにまだ文句をおっしゃってましたね…(´・ω・`)
(本当に大事なら庭で飼わないで家の中でケージに入れろよ)

「これ、おみやげです。どうぞ」
と授乳期の母犬向けのフードを飼い主さんに渡すと、
「あ。ども。子犬はどれでもどうぞお好きなのを持ってってください」と言われました。

…子犬まだ生まれて2週間ぐらいじゃん…せめて生後二ヶ月ぐらいまで母犬のそばに置いててやれよ。
と、思わず不信感を持って、ハスキーの飼い主の奥さんを見ちゃうワシ(心が狭い)

で。子犬ちゃんを見せてもらいました。
「あ。本当にハスキーじゃない」
ひと目で分かりましたよ。
むくむくと太った固太りのまん丸い、まだ耳も倒れている生まれたての黒っぽいタヌキ色の子犬たち。
まだまだバブちゃんですが…「オオカミの子供ってこんな感じじゃない?」な見た目です。

母犬のロリータハスキーのプリンちゃんは。
茶色い瞳と白とベージュの被毛に覆われたフサフサの「足短い系ハスキー」でものすごくおっとりしてて優しい性格のようでした。
見知らぬワシら一家が子犬を抱いても、「大丈夫?大丈夫??」と周りを伺うだけで吠えたり騒いだりはしません(今にして思えば、ボイスが後年、家族に向けた優しい深い愛情はプリンちゃん譲りだった)

すると、ここで思いがけないことが。
まだ幼稚園だった初号機が、子犬を抱いていたら子犬が腕の中でもがいて、その拍子に取り落としちゃったんですね…
「あっ!」と言うけど間に合わない。
地面に堕ちた拍子に「キャン☆」と悲鳴を上げる子犬。

母犬のプリンちゃんが慌てて駆け寄って、ペロペロペロペロペロペロと痛がる子犬を舐めてやってました。
「すいません…この子犬を頂きます…」(落とした責任をとります)
と、言うわけで3匹居た中の一匹が選ばれました。
3匹とも同じような見た目でしたが、尻尾の先の白いポイントで見分けがつきます。
もらう子犬を決めて、
「来月にいただきに参ります」と言って一旦帰宅しました。

すると、その後、その家の人から「早く貰いに来てくれ。子犬はもう十分育っている」と催促の電話がですね(苦笑)何度かかかってきて。
本当は12月の上旬くらい(生後二ヶ月)になってからもらうつもりでいたのですが、結局は11月23日にもらうことになってしまいました。

またしても母犬用のフードを手土産に子犬を引き取りにプリンちゃんの飼い主宅を尋ねると、
「よくぞもらってくださいました」
とプリンちゃんの飼い主さんから白菜を一玉いただきました。

つまり、ボイスは白菜と一緒に貰われてきた犬だったんですよ。