山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

I君、6歳。愛を知るオトコ。

素敵な話しを聞いた。

I君は今年、新一年生。私は、彼が1歳1ヶ月から知っている。(当時は何を話しかけても「アンパンマン!」としか答えない赤ん坊であったが)
その、I君春休み中に野ウサギの赤ちゃんを2匹もらったが、ここんちは動物を飼った経験のナイ家で、子供二人はやたらケモノを怖がる。
私は、「大丈夫?」と言いつつ、母親である友人から様子を訊いていたが、そのウサギが一匹死んでしまったという。
「ああ、可哀相にねえ。」と言ったら、「やっとね、3日くらい前から、子供が抱けるようになってたの。残念だったわ。」と彼女。
「もうね、死んだって分かったら、ウサギを抱いてボロボロ泣いてんのよ。こういう経験は初めてだし。」
ワシ「いや、もうそれはウサギが小さすぎたし、人手で育てるのには限界があるから、君んちはよくやったよ。それに、I君にしても、命はいつか消えるって知れたから、良い勉強になったよ。」と言ったら、彼女フト思い出したように、「ああ、そーいえばこんな事もあったのよ、春休み中。」と、語りだした。

彼女の実家は隣県で、やっと最近I君は一人で祖父母の家にお泊まり出来るようになった。
で、2?3泊して、祖父母の家から、自分のお家へ帰るという日の事。I君シクシク泣いている。
「どうしたの?」とおばあちゃんが訊くと、I君曰く、「僕がお家に帰っちゃったら、こんな広い家におじいちゃんとおばあちゃんがたったふたりっきりで住んでるのが、可哀相。僕がいなくなったら、おじいちゃんもおばあちゃんも寂しがるよ。」
ぬおおおぉぉ。私も、孫が欲しくなる。
ワシ「もう、イイわ。I君、イイわ!!すごい、6歳にして愛のなんたるかを知る男!彼に将来愛される女は絶対シアワセね!!その、思いやり、その優しいココロ。もう、オバちゃんファンクラブ作っちゃう!もう、絶対I君を支持しちゃうわ。」
友人は涙ぐみながら笑った。

散歩に行こうとして一歩踏み出した途端、HULTER(犬の引っ張り防止マズルベルト)の留め具が完全でなかったらしく、ハラリとはずれる。
私もボイスも一瞬「?」となったが、ボイス「イヤッホウー!」と飛び出してって消える。「ボイスー」と呼び戻すが珍しく帰ってこない。
すると、畑にいたバーサンが「こっち、こっち」と教えてくれる。
行ってみると、近所のマルチーズMIXのジーサン犬の犬小屋にジーサン犬と一緒に入っとったわ。(ぎゅーぎゅー)