山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

晴れた日の秋の海岸

最近、せっせと帳簿付け。
子鬼のお弁当を作って幼稚園へ送ったら、帰ってきてボイスの散歩。
今週は今日以外、ゆっくり散歩出来ないので、今日のウチにロングコース散歩をしておきたい。
ボイスと西の海を目指す。

ダンナが「海岸を歩いていると、不審船に拉致誘拐されるよ」とワシに言う。
「不審船は、韓国領海を横切るのを嫌がるから、コッチの海岸線には来ないよ」と答える。
不審船は、韓国領海を迂回して日本に上陸するから、南コースは鹿児島や宮崎、北コースは新潟あたりに出没するのだ。
「大丈夫」と言いつつ出かける。

風が冷たくていい気持ち。
中学校の横の道を歩いていたら、中学校は給食施設の工事中であった。
工事予定表に「平成15年2月28日完成予定」と書かれている。
「おぉ、せちたろーの入学に間に合うジャン?」思わず嬉しくなる。

福岡県は教育施設全般、熊本より数十年単位で遅れていて、ようやく最近になって中学校にも給食が普及してきた。
でも、小中学校の暖房施設や遊具、図書館の蔵書の充実はまだまだ熊本に及ばない。
こんなトコロで文化度が測れる。

海に着く。
砂浜は黄金色に輝いて、海はエメラルドグリーン。
漁船が沖合に沢山浮かんでいる。
「不審船は無いわね」と言いつつ見渡すと、左右海岸線数キロに渡って一つの人影もナイ。
サーファーも釣り人もイナイ。
ボイスをノーリードにして遊ばせる。
ボイス、砂を蹴って、大喜びで砂丘に登り、崖っぷちで登ったり降りたりして遊ぶ。
ホントに足場が悪い危険な場所が大好きな、犬。

ボイスから外したリードを持って、波打ち際を歩きながら、遠くに行こうとするボイスを呼び止める。
「遠くに行っちゃダメよー」
すると、ちゃんとボイス、走って一度は戻ってくる。
「よしよし、よく帰って来たねえ」と言うと、安心するのか、またフラフラと崖に近寄っていく。
カニの穴一つ一つに鼻先をツッコミ、匂いをチェック。
軽快な足取りで斜面を行き来している。

ワシ、足下の桜貝のカケラを集めに夢中になっていて、ボイスを見失う。
崖に向かって、「ボイスー!」と声を限りに呼ぶと、ワシの真後ろから、「呼んだ?」とボイスが現れた。
いつの間にか、波打ち際で遊んでいたらしい。

「オスワリ」と言うとキチンと座る。
「楽しかったねえ」と言いつつリードに繋ぐ。
「帰ろうか?」と声を掛けると、砂丘を駆け上る。
ワシも一緒にヒィヒィ言いつつ砂丘を登る。