先日、その存在を全く知らなかった映画を見ましたら、それがかなり良かったんですよ。今日はその映画の事をお話しますね。
お題はコチラ↓
先日来日してたニュー・オーダーの前身バンド「ジョイ・ディヴィジョン」(=ナチスの将校向け慰安所の名前)のヴォーカルだったイアン・カーティスの伝記映画です。
当時、イアン・カーティス自殺のニュースは結構衝撃で。
自宅で首吊りとかバッドフィンガーのピート・ハム以来だなあと思ったことを覚えております。
事件当時は「恋人と妻の間で板挟みになって自殺した」みたいな話だった記憶なのですが、この映画「コントロール」(なんと、イアンの妻デボラ・カーティスがプロデュースしている)はかなり詳細に実話に沿って物語が進みます。
それを見ると…実は妻と愛人の板挟みも悩みのタネだったかもしれんけど、それよりもシリアスにイアンを追い詰めたのは病気だったように思いました(突然、癲癇の発作が出て、投薬もあまり効果が出なくてその病と付き合わねばならないという苦行)
この映画はロックのアーティストを撮り続けてたカメラマンの初映画監督作品だそうですが。
白黒で描かれたこの映画の世界が、70年代後半のイギリスの地方都市の陰鬱な出口のない青春の雰囲気をよく伝えてて。
映画としてかなり良かったですよ。ジョイ・ディヴィジョンやニュー・オーダーを知らなくても楽しめると思いました。
ロキシー・ミュージックやボウイに憧れて音楽を聞き続けてた若者イアンが、高校の時の恋人と結婚し。
障害者向け職業安定所で働いて。
色んな障害者の就職の世話をするうちに出会った印象的な美しい女性。その女性がイアンの眼の前で突然、癲癇の発作を起こして驚くイアン。
しかもその女性は病気を苦に自殺してしまうのですが…その事をイアンは曲にしております↓
彼女と出会って突然の別れのあとに、自分も彼女と同じ病を患いそしてコントロール出来ないその病によって絶望するという…
非常に気の毒な話であります。
以前、ニュー・オーダーのドキュメンタリー映画を見たことがありまして。
イアンが自殺したその時、メンバーが「イアンが死んだなんて認めない やつの死に顔なんか見ないぞ」とお葬式への参列も突っぱねて、最後のお別れもしなかった_というのを語っているのを見たことがあります。
そのことはメンバー自身も後悔しており「若さゆえの過ち」「馬鹿な俺達」みたいに言ってたのが印象的でしたね。
ジョイ・ディヴィジョンはイアンの自殺により幕を下ろし、メンバーはニュー・オーダーと名前を変えて活動を続け。
今年は日本にもやってきて大ウケしてるという。
生けるポストパンクの昔語り映画ですね。