山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「ウィッチ」

昨日は残業から帰ってきてもやたら暑くて、エアコンをつけてソファで横になりながら、

「このまま昼寝するか」

とアマプラで映画を見始めたんですが、コレが結構面白くて。

目が冴えちゃいましたw

主演はワシが好きなアニヤ・テイラー・ジョイ(「ラスト・ナイト・イン・ソーホー」で好きになった女優さん そしてワシがネトフリで唯一最後まで見たドラマ「クィーンズ・ギャンビット」で主演)

2016年のアメリカ映画です。

 

舞台は1630年代のアメリカ北東部ニューイングランド

イギリスでの宗教弾圧から逃げてきたピューリタン信徒たちの村。そこでほぼ異端審問みたいな形で村を追われた一家がいました。

一家は夫婦、子供が5人、村から離れた森の近くで農地を開拓し家畜を飼い、自給自足で暮らしていますが、食料は冬が来る前に底がついてしまいそうです。

そこで不思議な事件が起きます。

赤ん坊の末っ子サムが一瞬、目を離したすきに姿が消えてしまうのです。

 

「狼の仕業だろう」と自分たちを納得させる家族ですが、母親は悲嘆に暮れて心を病み始めます。

タダでさえ、当時のアメリカは生きていくのには過酷な土地で。

狂信的な信仰心だけを頼りに土地にしがみついて生きていく人たち。

現代人のワシから見てても、「この一家、割と放漫経営じゃない?」と思ってたら案の定、冬が来る前に食い詰めてみんな気が狂っていくんですね…

その気が狂っていく過程をじわじわと真綿で首を絞めるように描く映画でした(なんだ、今確認したら「ミッドサマー」と同じA24が配給してる映画だった このじわじわと「いやーな感じ」は確かに似た芸風です)

 

本当に魔女がいるかどうかはわからない。

でも、森の中には不思議と魔法があって、人が立ち入ってはいけないところがあるのは本当みたいで。

その森の奥では何が行われているのかと言うと…

それは映画を見てのお楽しみです(゚∀゚)

 

すごく説得力のある魔女の表現で、ゴヤの絵とか、昔話の魔女の様子をいきいきと再現してくれてます。

そうすると、なんかじんわりとワシですら、「そりゃあニューイングランドあたりじゃ魔女裁判が盛んになっても仕方ないわ こんなんが居たら裁判にかけるしかないもん」という気持ちになるのでしたw

 

文明国イギリスから命がけで船に乗って、宗教によって繋がった地上の楽園を作ろうと頑張った先人たちの苦労が忍ばれる映画でした。