山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「ア・ゴースト・ストーリー」

これもGYAOで見た映画。

全然期待せずに見たら、とてもいい映画でしたので、ご紹介しておきますね。

 

「ア・ゴースト・ストーリー」(2017年 アメリカ)

テキサス郊外の小さな家に住む夫婦の物語です。

二人は穏やかに暮らしていたのですが、ある時突然、夫が不慮の事故で亡くなってしまいます。

突然死んでしまった彼は、自分の死を受け入れられずにシーツをかぶったオバQ的な姿で愛する女性と過ごした家の中をぐるぐると徘徊することになります。

彼は幽霊になったので、家の外には自由に出ることが出来ません。

 

嘆き悲しむ彼女の姿を見てもどうしてあげることも出来ずに、ただ、家の中に佇むだけです。

彼の姿は誰にも見えず、ただ、同じ幽霊からだけは認識できるので、実はご近所さんの家にも幽霊が居着いてることに気がついたりします。

そうするうちに月日は経ち、彼女もいつか愛する人の死を乗り越えて新しい男性と恋に落ち、結婚して子供が出来ます。

その小さな家を出て行ってしまいます。

幽霊になった夫は幽霊のままで、家の中に囚われたままで、彼女の思い出に重なる子連れの女性が新しく引っ越してくれば、嫉妬に狂って暴れたりしますい人生を見つめます

更に月日が経っていきます。

 

やがてその小さな家も住人が変わり、古くなって取り壊される日が来てしまいます。

さて、幽霊になった男はどうするんでしょうね?

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※以下ネタバレあります

 

ところがここでこの映画はすごく意外な展開を見せるのです。

ワシはこの展開にものすごくびっくりしちゃったんですけどね。

 

つまり、「生きている人間は時間の過ぎゆく方向に逆らえないのだが、死者はその軛から解放されている状態なのだ」という目からウロコの展開です。

幽霊は「時の流れは一方方向にしか進まない(過去→未来)」という生きている人間なら逆らいようがない不可逆なルールから完全に解放されているんですよ。

 

だから、自分と妻が愛し、一緒に住んだ家が老朽化し取り壊されて、超高層のオフィスビルに生まれ変わって周りの空き地がきらびやかなネオンが彩る新しい都市になったとしても。

彼は一気に過去へ飛び、その小さな家の最初の住人たちの生活を覗き見る事になります。

 

それは西部開拓時代。

小さな女の子を連れた一家が、この家を最初に「マイホーム」として住み始めた人たちでした。

 

そこの女の子が、ある時、小さな紙に何かを書いて石の下に隠すのを幽霊は見ます。

そこで彼は思い出すのです。

「妻も自分が住んだ家には自分がここにいたという事を記すために小さなメモを書いて壁と柱の間に隠してた」という事実です。

 

幽霊は取り壊される前の小さな家に戻ります。

そしてようやく柱と壁の隙間に隠されてたメモを見つけ、それを開いて中を読むのです…

 

さあ、その瞬間に何が起きるのか。

それは映画本編を見てのお楽しみでございますよ(´∀`*)ウフフ