山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「ジョジョ・ラビット」あるいは「ブリキの太鼓」

休みの日は粛々と家で配信されている映画を見るですよ。

本日のお題は「ジョジョ・ラビット」(2019年 アメリカ)

ja.wikipedia.org

であります。

 

とにかくこの「ジョジョ・ラビット」という作品、ケレン味のあるオープニングと描き方でワシは最初、面食らってびっくりしちゃったので、できれば事前情報は何もいれないままで見るのが正解の映画かと思いましたよ。

 

ワシはタイトル以外何も知らん状態で見ちゃったので、新鮮な驚きを持って、この映画を見ることが出来て楽しみました(不謹慎だけど、面白いとも思いました)

 

んで、この「ジョジョ・ラビット」を見ているうちに思い出したのがギュンター・グラス原作の傑作映画「ブリキの太鼓」(1979年)だったんですけどね。

ワシ、この「ブリキの太鼓」を大学生の時に劇場で見て、ものすごくびっくりしました。

今まで見てきた映画、どれとも違うっつーか。

残酷でアングラで恐ろしくていやらしくて超不謹慎で、でも笑えるという不思議映画です。

一人の不具の子供が第2次世界大戦中にナチスに入ってそれなりに色々苦労したり経験したりするって話なのが「ブリキの太鼓」も「ジョジョ・ラビット」も同じですね。

少し前に見た「異端の鳥」

filmarks.com

も第2次世界大戦中に子供が苦労する映画を東ヨーロッパ側から描いた映画でしたけどね。

この「ジョジョ・ラビット」は主人公がドイツ人でアーリア人種でしかも「良きナチス」になるためにヒトラー・ユーゲントヒトラー青少年団)に入って訓練キャンプにも参加するような少年ですし、素敵なママは金髪美人だし、で。

「苦労の入り込む余地はない」と思われるのですが、ジョジョはイマジナリーフレンドが心の頼りだし、不具もあるし、ママはなんだか地下活動に参加しているみたいだし、家の隠し部屋を見つけちゃったりして、一応それなりに苦労します。

甘っちょろい苦労ですが、一応、英語を喋りながら苦労します。

 

死んでしまった姉という存在、ゲシュタポの恐ろしさ、刷り込まれたユダヤ人への偏見と差別。

ジョジョの心のありようが、実はとても孤独であることが理解できると、このユーモアとケレン味のある演出が納得できてきます。

一応、予告編も貼っておきますが…これって結構ネタバレなので映画本編をご覧になる方は見ないほうが良いかもですね↓