相変わらず、アマプラで映画見まくってます。
本日はリドリー・スコットの一昨年の作品「最後の決闘裁判」であります。
「決闘裁判」つーのはアレですよ。
どうにもこうにも裁判所で決着がつかなくて、もうにっちもさっちも行かなくなった裁判の行方を「腕力で解決」するっつー昔ヨーロッパで本当にあった解決法です。
これは「人の力では裁ききれないから、神の手に委ねよう 真実を言ってる方が生き残るやろ」って事で、馬上で槍持って、すれ違いざまにお互いをバーン★と突きあって勝敗を決するというもので。
「それってもしかしたら、神の手は関係なくて、槍の実力で決まるのでは??」
とか日本人としては思っちゃいますけど…
まあ、勝敗なんて水物だからこそ、「神の手に委ねる」ってことなんかもしれません。
お話はこんな感じです↓
14世紀フランス、騎士とその妻、騎士の元親友従騎士の三者を巡る三角関係のお話です。
騎士は熱血漢で情に弱く、短気で思慮が足りません。
その妻は美貌と知性を併せ持ち、この時代の女性としては珍しく数ヵ国語を操り読書家でもあり荘園の経営にも才能を発揮します。
従騎士は冷静で計算高く抜け目なく、元々聖職者を目指してたのに、今は戦争に身を置き、仲の良い領主と女遊びにふけってます。
問題は騎士の采配ミスにより、イギリスとの戦争に負け、短慮ゆえに裁判沙汰を起こしては領主の不興を買い、どんどん惨めな立場に追いやられた事に端を発します。
「あんな男の妻にしては美しく才能も知性もあってもったいない」と従騎士が騎士の妻に目をつけたことにより悲劇が始まります。
騎士の短慮、いつのまにか他の騎士仲間からバカにされ嘲笑されるに至った経緯。
騎士の留守中に騎士の妻を手籠めにした従騎士の(勝手な)思い。
なかなか子宝に恵まれず、姑からも意地悪を言われ続けてた騎士の妻の生活。
それぞれの場面が三者の目を通して語られます。
なので、同じ場面でも微妙に言い回しや態度、受ける印象が変わってきます。
「コレは「羅生門」(黒澤明)じゃん」と気がついたときにはもう、「歴史もの」というジャンルを超えて、単に「ミステリー」を見ているような気分になってハラハラと物語の行く末を見守ってしまいます。
単純に面白かったです。
リドリー・スコット作品にしては脚本がしっかりしているな!と驚いたら、なんと、マット・デイモンとベン・アフレックが脚本に参加しているんですね。
とても良い脚本故に名作になっております。
そしてそこはかとなく漂う「騎士の妻の本当の望み」が暗に示されていてスリリングであります。
オススメ!