山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「マップ・トゥ・ザ・スターズ」

本日は、少し前にたまたまGYAOで配信されてて、なんの前知識もなしにナニゲに見始めたらものすごく面白くて感心してしまった映画「マップ・トゥ・ザ・スターズ」の事を忘れないうちに書き留めておきます。

 

物語はハリウッドという閉鎖された異様な社会で起きる群像劇と言いましょうか、ホラーなお話です。

んー、ここがあの有名なヘルウッド。女優獣道映画「マルホランド・ドライブ」の本場ね!?

という覚悟を持って見ればいい映画な気がします(少々ネタバレ?)

登場人物は、「落ち目の二世女優(母親は伝説の名女優)」、「フロリダからやってきたキャリー・フィッシャーのネッ友の少女」、「ハリウッドでセラピストやっている父親がいる一家」「その息子で子役やっている少年」が主なんですけど。

この人達を巡る恐怖の物語が語られるそのやり口(やり口とか言うな)がすごくてw

 

見終わって、「ふわー、すげえ監督誰だろう?」と調べてびっくりデビッド・クローネンバーグでしたよ!

しかも2014年のカンヌ国際映画祭では「落ち目の女優」を演じたジュリアン・ムーアが女優賞をとってるんですね。

そりゃあもう、この作品でもジュリアン・ムーアは、「女優という生き物」のモンスターっぷりをこれでもかとぶつけてくる演技が凄いんですよそりゃあもう(そりゃあもうを二度も言う)

 

自分しか愛してない、砂漠みたいな精神の持ち主。それでいて愛を誰よりも求めているお腹をすかせたモンスターみたいな女優を見事に演じておりました。

そして何よりも物語後半で詳らかにされるセラピスト一家の恐ろしい秘密。

アメリカならではの悲劇と言える気もしますが(この事例は日本ではレアすぎる気がする)

その悲劇の終わらせ方がなんとも宙にポポーーンと放り投げだされる感じで。

消化不良のモヤモヤとした気分のママ映画は終わるのですが、「コレデイイノダ」という気持ちにもさせられるので、おそらくは、この映画はいい映画なんですよ。

マルホランド・ドライブ」とか「ブギーナイト」とかお好きならおすすめできます、そんな映画でした。