山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」

たまたま昼間に上映している映画館があったので、ちゃちゃっと出かけて見てきましたよ。
クェンティン・タランティーノの最新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」\(^o^)/

お話はこんな感じです↓

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落ち目の俳優リック(レオナルド・ディカプリオ)は、かつてはアイドル的な人気を誇っていたのに、1969年現在、活躍の場を映画からテレビドラマに移したものの、それでも人気の衰え著しく、仕事は減っていく一方です。
そしてその挙げ句、「イタリアに行ってマカロニ・ウェスタンに出たら」なんて言われて泣いちゃう始末。
そのリック専属のダブル(危険なシーンを演じるスタントマン)をつとめるのがクリフ(ブラッド・ピット

二人は元大スターとその代役という立場ですがとても仲が良くて、仕事もプライベートも一緒です。
元スターのリックのため、クリフは危険なシーンの代役はもちろんのこと、リックの送り迎えをする運転手からリックの家の留守番、リック宅のテレビアンテナの修理までなんでも快く引き受けてくれます。

そんなハリウッドで生きる男二人、リックはハリウッドの山の手、クリフは野外シアターのはずれのトレーラーハウスと住む場所は違いますが、映像の世界で糊口をしのいでいます。
そんな二人にちょっと目新しいことが起きます。
なんとリックの家の隣に映画監督のロマン・ポランスキーとその新妻新進女優のシャロン・テート夫妻が引っ越してくるのです。
一方、クリフもかつての撮影用の牧場で暮らすヒッピーたちと知り合うのですが…

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正直、とても面白い映画でした。
ワシ、タランティーノ作品で一番好きなのは「イングロリアス・バスターズ」だったんですけど。それより好きかもw

この映画の舞台は1969年なんですが。
リアルタイムであの時代を知っている身としては、「むしろ1966年から68年頃の感じだなあ」と思いつつ見てました。
だって1969年つったらすでにアメリカン・ニューシネマの幕が開いてたでしょうに。
なので、まだ1969年に旧態然とした映画製作システムが堂々通用してたってのは「ちょっと違うかな」という気がするのです。

それでもタランティーノの映画に対する愛情は溢れてまして。そこかしこに色んな仕掛けが置かれてます。
スティーブ・マックィーン役でドラマ「ホームランド」の人が出てきて笑ってしまいました(ワシが「ホームランド」見ながら思うのは「この人、スティーブ・マックィーンに似てる」だったので)
だけど、ブルース・リーは違ったかな…w ブルース・リーはもっとインテリでかっこいい人じゃん?あれじゃモノマネの人だよ…

その仕掛けの中で一番気に入ったのは、クリフのキャラ造形でしょうか。
ワシの大好きな映画アルトマンの「ロング・グッドバイ」の主人公、エリオット・グールドが演じるフィリップ・マーロウのあの感じ。
男やもめがペット(クリフはアメリカン・ピット・ブル、マーロウは猫)を相手に、退廃的な西海岸で生きる物語。
そこで男はどんな生き方をするのか?
そこがこの映画での見どころの一つになってますね。
ワシ、生まれてはじめて、この映画のブラピを見て、「ブラピ、カッコいい!!」と思いましたwそして同時に「ロバート・レッドフォードに似てる」とも思いましたw

あと、タランティーノはヒッピーが嫌いなのかな?
ワシも子供時代から大のヒッピー嫌いなので、この映画の進行には手を叩いて大笑いしてウケちゃいました!
この物語には賛否両論あると思いますが。
タランティーノシャロン・テートをまるで天使のように撮ってあげたので、それはきっと良い供養になったと思いますよ。