山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

プレミアムシネマに釘付け

最近、BSプレミアムの「プレミアムシネマ」でオンエアーされる映画のラインナップが素晴らしすぎて、午後にテレビを見るのが楽しくて仕方ありません。

先週は30年ぶりくらいにアルトマンの「ロング・グッドバイ」を見てやっぱりシミジミと感動。
高校生の時に最初に見て、激しくしびれたものでしたが、やっぱりしびれたw
「この時代のアメリカ映画ってすごくいいなあ」(´ω`)
アメリカが初めて知った負け犬根性とでも言うのか。
常に勝者であったアメリカが負けを知ったからこそ作られた映画たち_という気がしてなりません。

この映画「ロング・グッドバイ」は後々、松田優作にインスパイアを与えて、TVシリーズの「探偵物語」を作らせる事になるんですが。
なるほど。
この映画に描かれる男くさくて同時に心優しいフィリップ・マーロウは、チャンドラー原作のマーロウとは随分佇まいが違ってますがw
新しい時代の新しいマーロウ像としてとても納得ができますよ。
とてもとても魅力的(おかげでワシは二十歳過ぎころまで熱心にアルトマン作品とエリオット・グールド出演作品を追いかけることになる)

猫のキャットフードに振り回された挙句、死んだ友人をきっかけに事件に巻き込まれていく様子が、西海岸のなんとも言えないデカダンスと憂鬱、ジャズを背景に描かれていきます。
その中にスパイス的に放り込まれるオフビートな笑い。

「この時期のアルトマンはまさに天才だわね!!」と言いつつ鑑賞。

見終わった後に晴れ晴れとした寂しさと爽快感と砂を噛むような無常感が同時に味わえるのは、なんとも独特で素敵です。
もし、未見の方がいらしたら、是非ご覧になってね。

最後のセリフは最近のさわおの発言ともかぶってて、バスターズならなおいっそう、感慨が深いはずですよ。


多分、純粋にチャンドラー作品がお好きな人は
この映画を見たらガッカリする予感…