山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「BEACON」 その3

07.COLD SONG

こちら、パーセルの歌劇「アーサー王」の劇中歌のカバーとなっております。

原曲の歌詞を調べたら、怖い歌詞でした((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

汝の力、いくばくのものか

地下より我を引き上げ

何故、起こす

惜しむらくはもう遅く

この凍土の褥から

どんなに血の通ったものであろうとも

(略)

動けず動けず

息もつけず

どうかどうか

もう一度凍土に閉じ込めて

凍らせて、二度と目覚めることなく

もう一度、凍死を

 

ホラー!!(叫)

ところがなんと平沢進はコレに真逆の歌詞をつけました。

氷に閉じ込められていた男はなんと声に導かれるまま、己の中に火を見出し、

石英のごとく刺すような目覚め」

により、自分を閉じ込めていた氷牢こそがまやかしであると気が付きます。

自分さえそれに気がつけば、氷牢は消えるのだ。そしてその鍵はすぐ手に届くところにあると。

 

67歳男性(レコーディング当時は66歳か)の渾身のファルセット、ソプラノを味わってください。

こんな高音を振り絞ってたら、頭蓋骨の中でヘモグロビンが渦を巻いて、閃光とめまいを引き起こしてしまいそうです。

ステルス・メジャー、命がけの(大袈裟)渾身の歌唱をどうぞenjoy☆

 

08.幽霊列車

鉄郎、なんだか今日はこの列車は様子が違うわ。

エンリオ・モリコーネのBGMが流れてるし、なにより車掌さんがいないわよ。

そのかわりに?あそこに単眼のカメラアイを装備したガンマンが乗っているわ。

あの人も完璧な機械の体を求めて旅をしているのかしらね?

あらあら、今日は列車の揺れも激しい気がすると思ったら激しい雨だわ。

なのにほら、荒野の向こう側をなんだか炎がゆらゆらと揺れながら隊列を組んで歩いていってる…

あれは…何かしら?まるで灯台のように導いてくれているようにも見える気がするわ。

こんなに激しい雨の中で炎が消えることもなく…すごいわね。とても綺麗よ。

 

いつの間にか雨がやんでるわ鉄郎、朝よ。

空は雲ひとつ無いピーカンよ。

この列車の行き先、終着点はどこかしら?もうすぐかしら?たどり着けば完全なる者に、きっときっとなれるわよね、鉄郎

 

09.TIMELINEの終わり

どんなに絶望しようとも、悲しみのタイムラインの中に居ても。

実は他のタイムラインに乗り換えることも出来るのだ。

もし、今、暗い夜の中で星も見つけられず悲しみに打ちひしがれているのなら、抱き上げて星を一つ、キミの心に送り込んであげよう。

小さく仄かな光だけど、ある日、時が来れば雷鳴を呼び、キミを目覚めさせてくれるだろう。そう時限爆弾みたいに。

向こう岸を振り返れば、終わったタイムラインでの選ばなかった未来でキミは殺められている。まるで映画みたいにはっきりと見えるじゃないか。

「そうか、タイムラインを乗り換えて生まれ変わったんだ!」

と自覚できれば自分で選んだタイムラインを自分の足で歩いて生きていくことが出来る。

そんな祝の歌。

 

10.ZCONITE

ところが日常の表層の一枚下では、相変わらず、ムカデやゲジゲジが蠢くあなおそろしや世界がちゃんとあって。

なくなったってわけではなさそう。

「地獄はいつでもあなたをお待ち申し上げております」という立て看板の曲。

 

11.記憶のBEACON

トゥルーエンド曲。

さっきと同じナレーションなのに、受ける印象はまるで違う(のがウケル)

ステルス・メジャー、渾身のちりめんビブラート唱法による、人類の魂へのマッサージ曲。

「地獄めぐりお疲れさまでしたー!!」このビブラートで全身を揉みほぐしてもらいましょうね(゚∀゚)

ぜひ、いいヘッドフォンで、大音量で。

フィルターを外した、目の前でステルス・メジャーが歌ってくれているような臨場感で、泣いてくださいw

この地獄めぐりのはてに見えたのは雅なる月の軌道。

聞き手の二度目のお誕生を祝って、ステルス・メジャーがバカコーラス引き連れて歌ってくれてます。

オマエタチの事を「摂氏零度に咲いた星の道理が香るキミ」なんて歌われた日

にゃあ、もうどうして良いのかわからなくなって、両手で顔を覆って恥ずかしくなってゴロンゴロンしてしまいます。

 

…つまり、最終曲は「オマエタチへの贈り物」!?ラブレターだったりするの!?

ギャーーーーーーーーー(倒)