山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

おじさんたちは天使になりぬ

映画「王様になれ」を見てて一番思ったのは、
「この映画、妙な既視感があるなあ」って事だったんですけど。
「んーー、なんの映画だっけ??」とつらつらと思い出してたら、
「あ。そうだ。ヴェンダースの『ベルリン天使の詩』だわ」
と、思い至りました。

「ベルリン天使の詩」という映画。
これはベルリンという町を守っている天使の物語なんですが。
天使が中年男性の姿をしているんですね。
その姿は子供とか、死にかけの病人にしか見ることが出来なくて。
しかも天使には特別な神通力が備わっているわけでもなく、とりあえず、人間を「見守ること」しか出来ないんですね。
その眼差しで人間の様々なドラマ、人生模様にそっと寄り添うことしか出来ない無力な存在なんですよ。
でもいつか天使は人間の女性を好きになってしまって、不死の存在である天使であることをやめて、人間として生きたい!と願い、その願いが届くという内容なんです。

映画「王様になれ」は、等身大のピロウズ(特にさわお)とか主人公の叔父さんや仕事の師匠と言った素敵なおじさんたちが出てくるんですよ。
このおじさんたちがねー!
もう、天使よ天使!!
「そうか、下北沢は天使に守られた街だったんだ!!」と思いましたね、この映画を見て。

もちろん、主人公の祐介くんも天使。
でも女性のこと好きになって、人間になるべく奮闘するって話でもあるんですよ。
やっぱり、もう一回くらい見に行きたいですなあ「王様になれ」