昨日は仕事から帰ってきて、そのまま「そうだ、劇場でやっているうちに見ておこう」と「バービー」を見るために最寄りのシネコンに出かけておりました。
そしたら、その前の日(一昨日)に見た映画と通じるものがあったので、今日はそのことを書き留めておきます。
一昨日見た映画はコレ↓
オハイオ?の田舎に住んでいる男性は、妻も娘もいて平凡に幸せに暮らしています。
娘には生まれつき難聴がありますが、近々に内耳手術を受けられることになりその準備に忙しい日々です。
ところがある日、男性は「啓示」ともとれるような不思議な夢を見て、「もうすぐ世界を揺るがすような大きな嵐がやって来る」と確信し、自宅のシェルターをより強固なものにするために仕事も財産も全てをなげうって取り組み始めて…
というお話。
この男性の母親が30代なかばで精神病を発症し行方不明になった後発見されて入院、しかも未だに病院にいるということが語られ、男性自身も自分も精神病を発症したのではないかと恐れ苦しむのですが。
という物語です。
そしてコチラ、この夏公開の「バービー」↓
劇場でやっているうちに見ておこうと昨日出かけてきました。
実際に見てみないと本当のところはどんな映画なのかはわりませんからねw自分の目で確かめなくちゃ(゚∀゚)
んで、実際に見た感想は「未来世紀ブラジルに近い映画」
という印象でした。
現実を戯画化した社会批評的なカリカチュア映画です。
それを「お人形ちゃんの世界」を通して描くので、まあ…「合わない人は合わないでしょうね」という気がしました(ワシは楽しんだけど)
でも描かれているテーマはとても共感できるもので。
「男も女の自分の人生をありのまま生きて、どーんと胸を張ってのびのびと生きようね」
というものに感じました。
それと、この監督(女性)はどうやら「少女革命ウテナ」も履修済みらしく、ライアン・ゴズリングが素肌に毛皮のロングコートを着て、オープンカー(ウテナでの「暁生カー」と同型)の前に寝そべるシーンでは笑ってしまいました。
そしてケン(バービーのBFという以外に存在価値のない男)が男性優位社会に目覚めてメタリカのロゴの書体↓
で「KEN」と描かれたネーム入りパンツを履いていて、そのライアン・ゴズリングの姿にも爆笑させられました。
…この「バービー」のおかげでライアン・ゴズリングが好きになりました(今まで苦手だった)
「テイク・シェルター」も「バービー」も過去の有名な物語を下敷きにした映画で。
そこが興味深かったですね。
「テイク・シェルター」は方舟を作ったノアの物語。
「バービー」は木製の木偶人形から人間になるピノキオの物語。
しかも「バービー」で興味深かったのは「娘と母の物語」を描いてみせたことですね。
世に「息子と母の物語」は溢れてますが(ある意味「君どう」だってそうだ)
「娘と母の物語」をここまでちゃんと現実に即して描いた映画は貴重かもと感じました。
娘が娘を生むということ。
この連綿と続く命を紡ぐ物語に参加するという事。
「ベルリン天使の詩」も似たテーマでしたね。