山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

「ダンケルク」

Netflixで配信されてたので、見てみました↓
「ダンケルク」(クリストファー・ノーラン監督 2017年)

実はワシは「ダンケルクのダイナモ作戦」のことを知ったのは、つい最近のことでして。
NHKで放映されてたテレビドラマ「刑事フォイル」で、だったのです(超遅い)

これは連合軍がフランスから大規模撤退するために、民間の船を徴用したという作戦でして。
初めて知った時は「そんな事が許されるの!?」とすごく驚きました。

そしてこの映画はその作戦を巡って3人の男たちの視点から描かれます。
第一の視点オソマ(脱糞)をしたいだけなのになかなか出来なくて、おろおろ逃げ回っているうちに海岸に出てきて、撤退する兵隊さんに紛れる若い男
第二の視点→戦闘機(スピットファイア)に搭乗しドイツ軍と空中戦を繰り広げるイギリス軍のパイロット
第三の視点→自分の船を息子とその友達と一緒に漕ぎ出して(エンジン付きだけど)一路、フランスめがけて救出作戦に参加するおじさん

皆、ダンケルクを目指して移動するのですが、ダンケルクは追い詰められた連合軍が爆撃を受けたりして地獄になっております。
しかし、イギリス軍は本土決戦に備えて「もう船は出せない」という事になり、沢山の兵士たちはフランスに取り残されたままになり…

この映画ですごく感心したのは「重爆撃の怖さ」ですよ。
遠くから投下された爆弾がドーンドーンドーンドーンと、怪獣の足音が近づいてくるみたいにどんどん迫ってくるんですね。
もう地上の人間にできることなんて、伏せて祈るくらいしか出来ないんですよ。怖いですねえ…

爆撃のみならず、Uボートからの魚雷攻撃もあったりして、イギリス軍はこてんこてんにやられてしまうのですが。
ココでまさかのチャーチルによる「ダイナモ作戦」の発動。
民間人が漁船や遊覧船、自家用のヨットなんかでドーバーを超えて、イギリス軍の兵士たちの救出に向かうのです。
まあ、このシーンの素晴らしいこと。

小さな船に乗った男たちが、続々とフランスの海岸目指して一直線に進んでくるのです。
ソレを目にした兵隊さんたちの喜びよう!
男(主に漁師さん)たちは正面の浜辺で待っているイギリス軍を見据え、船の上に仁王立ちになったままで進みます。
もはや彼らは若い兵隊さんたちを助けに来た守護天使ですよ。ワシの目には彼らの背中に翼が見えましたとも、ええ!

素晴らしい戦闘機同士の空中戦のシーンも良かったですねえ、宮崎駿作品とかの面影もあった気がします。
短くタイトにまとめられた映画で、登場人物の名前もよくわからないまま終わるのですが、そこも良かったですね。
このダイナモ作戦のおかげでその後イギリス人の士気が上がり、国民が一丸となって形勢を逆転するに至ったんだから、「事実は小説よりすごい」ですね。

イギリス人の漁師さんが世界最強なのかもしれませんが。
おすすめよー(^O^)

映画『ダンケルク』予告3【HD】