山麓日記帳

全ては消えゆく、雨の中の涙のように

離婚は棚上げ

昨日、久しぶりにスタンリー・キューブリック版の映画「シャイニング」を見まして。
久しぶりに見ると、なんというか、男の狂気がよくわかって興味深かったです。

ここ10年ぐらいの間。
夫が自分の仕事を嫌がっている。仕事をする気がないのは十分知っていた事だったので。
この映画の主人公が、執筆をしているふりをしながら同じ文章を繰り返しタイプライターで打っているというシーンを思い出しては。
「ああ、うちの夫はあんな状態なんだなあ」と諦めの気持ちで見ておりました。

それはつまり、うちの夫が妻や子供に対して義務を果たす気がないという事で。
経済的には夫にその重荷を背負わせている負い目がワシにもあり。
それでもいつかは夫は気がついてくれるだろう。
何年も働かないで居ると、それがどういう結果になるのかはわかっているはず__と思ってたワシが甘かったんですけどね(^_^;)

最初の頃は
「そんなに仕事をしたくないんだったら、ワシはあなたを開放してあげる。あなたが一人で好きなことを出来るように、ワシは子供を連れて実家に帰るから。邪魔ならそう言って」
とか言ってたんですが。
夫が言うのは「オレだっていろいろ考えているんだから、別れる必要はない」だったんですね。

その「色々考えている方法」は最後までついにワカラナイままでしたが(苦笑)

毎日、TVで好きなF-1の録画を見て、仕事の営業をするわけでもなく、何か新しいことを始めるでもなく。
「すいません、働いて欲しいんですけど」とたまに言おうものなら「ヒドイ!傷ついた!!」とか言うような夫が情けなくて。

でも、その夫を「可哀想な人だ」と思う部分もあったので。
「ギリギリまで我慢しよう」と決めて。
その「我慢」がいよいよ切れたのが去年の秋。

いろいろあって。
具体的に離婚のことを話し合い始めたのですが、ここでまさかの初号機の妊娠発覚。

人生が疾風怒濤ですわね。

経済的DVが8年も続いたあとなので、もうお金も持ってないし。
とりあえずは初号機が「産みたい」と申しますので、家を売ってでも赤ん坊を迎える気です。
外野は「人間じゃないんだからすぐ堕ろせー」「金なんか一円も渡さない」「なんて常識がない女なんだ」とかしましいですが。

「でも、力づくで堕ろさせることなんか出来ませんもんね」
とか言いながら。
生むことは決定事項ですので、これはゆるぎません。

そしてそのために自分の離婚問題も棚上げすることにしました。
夫への愛情はもうありませんが。
長年、一緒に人生を過ごしてきて。
ワシはこの男に沢山の愛情とお金と時間と、自分の身も心も全部捧げ尽くしてきたのです。
それはワシが愚かだったからにほかありませんが。

愛情はなくなったとは言え。
この関係は、おそらく、ワシが他の誰とも築きえなかったものであり、取り替えることも出来ないものなんですよね。
ワシは自分のことを愛してない男のことを、夢中になって愛して、32年間に渡って全てを捧げた。ワシの一方的な愛情に付きあわせてしまった。
そのことは、すごく悪いことをしたと反省しております(たとえそれにより、彼が仕事や家や家族を持てたとしても、それは本当は彼が望んだことではなかったので。ワシに付き合わせることで無理やり背負わせてしまったものでもあるので)
そしてその捧げた事によって残ったものは、二人の娘と今度生まれてくる孫なんですよね。

コレを手放してしまったら、ワシはおそらく一生悔やみながら生きていくと思うんですよ。
だから、妊娠発覚後、「産みたい」と言ってくれた初号機には感謝しております。
キミはワシの人生に意味を持たせる事を色々やってくれる子なんだなあと。

夫も一応発奮して、「孫のために頑張る」と申しておりますので、しばらくは今のままで頑張ろうと思っております。
このワシの決定をばかみたいだと笑う人もいるでしょう。自分の幸せをあきらめるの?と呆れる人もいるでしょう。

でもワシは、生まれてくるはずだった孫がもう生まれては来ないのだ_とかいう事態が一番恐ろしいのです。
ワシの力が足りなくて命が守れないとしたら。
ワシは一生自分を責めます。
孫の命を護るためだったら。
愛してない夫と協力することぐらい屁でもないです。
とりあえず、「生まれてくる赤ん坊のために一丸となってがんばろう」という事は家庭内で了解済みですので。
自分の幸せのありかが、優先順位が。とりあえず、今、自分の身には無いのは確かです。

明日からは初号機が生まれた経緯でも書こうかなー(´ω`)